4月20日(土)2019明治安田生命J1リーグ 第8節
清水エスパルス - セレッソ大阪 (15:00KICK OFF/アイスタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 今季は開幕から6戦勝利なし(2分4敗)と非常に苦しんでいた清水エスパルスだが、前節の静岡ダービー(ジュビロ磐田戦)でようやく今季初勝利を挙げ、今節のセレッソ大阪戦では、サポーターが待ち望むホーム初勝利を目指す。

 これまでの戦いを振り返っても、けっして試合内容が悪かったわけではなく、対戦相手と互角以上の戦いをしている時間もありながら、決めきれない、守り切れないという試合が続いて勝てていなかった。だが磐田戦では、先制点を決めた後も攻撃的なサッカーを続けて今季初めて2点のリードを奪い、その後は1失点しながらも全員で守り切って待望の勝点3をつかんだ。相手が地元のライバル・磐田だったこともあり、サポーターの歓喜は最高潮で、これまでの嫌なムードを大きく変えることができた。

 だからこそ、「次が本当に大事。ホームで初勝利して2連勝したら、一気に(悪い流れを)払拭できるから」と、磐田戦で先制ゴールを決めた鄭大世は語る。もちろんどの選手もそこは理解しており、キャプテンの竹内涼も「自分たちの目指しているものはもっともっと上あるので、ここで安心している時間はない」と言う。
 今季はチームとして「トップ5」入りを目指しており、エウシーニョ、中村慶太、ヘナト アウグスト、ヴァンデルソンなど実力者の補強にも成功し、ドウグラスと日本代表・北川航也の2トップも残って、上位を目指すだけの陣容も整っている。ここで連勝できれば、V字回復もできそうな雰囲気があるだけに、トップ5という目標を達成できるかどうかという意味でも今は大きな分かれ目に来ているいると言える。

 そんな中で、セレッソに対してどう戦うかと考えると、これまで通り「守りから入って良い攻撃へ」(ヤン ヨンソン監督)というコンセプトは変わらない。4-4-2の3ラインでコンパクトに守り、良い形でボールを奪ったら一気にショートカウンター、速攻ができなかった場合はしっかりとパスをつないでポゼッションしながら崩していく。
 不整脈の治療から復帰したドウグラスのコンディションはまだ不十分だが、鄭と北川の2トップは好調で、北川は公式戦3試合連続ゴール中。バイタルエリアでテンポの良いコンビネーションを見せてチャンスを作るシーンも少しずつ増えており、攻撃に関しては良い兆しが見えている。

 守備に関しては、ここまでリーグ戦では無失点の試合がなく、まだ目指す内容には至っていない。だが、日本のサッカーに慣れて前々節から先発出場しているボランチのヘナト アウグストが高いボール奪取力や広い守備範囲を見せつけて、守備力の向上に大きく貢献している。
 課題の1つになっているクロス対応に関しては、磐田戦でもクロスから1失点しているが、徐々に改善しつつある。センターバックの元韓国代表ファン ソッコも「改善ポイントについては、みんなと建設的な話し合いができています。都倉賢選手はパワーも高さもあってクロスに強いので、そこは自分が絶対にやらせないという気持ちで抑えたいです」と意地を見せる。もう1人のセンターバックは五輪代表候補で191cmの立田悠悟。都倉には札幌時代から多くのゴールを決められているので、やられたくないという気持ちは強く、ゴール前での激しいエアバトルもこの試合の大きな見どころになりそうだ。

 チームとして良い雰囲気で練習もできており、あとはどれだけ静岡ダービーのときと同じ緊張感や気迫で試合に入れるかというところ。それができれば、エスパルスは16位のチームとは思えない力を発揮できるはずだ。

文・前島芳雄