4月27日(土)2019明治安田生命J1リーグ 第9節
セレッソ大阪 - 大分トリニータ (14:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 リーグ戦3戦負けなし(2勝1分)、好調を維持する大分は、JリーグYBCルヴァンカップを挟み、中2日でアウェイのセレッソ大阪戦に向かう。
 今季のJ1で番狂わせを巻き起こしている大分の好調の要因は何かと問われても、大分のサッカーが大きく変わったという印象はない。むしろ、昨季までやってきたサッカーの“良い部分”をしっかり継続できているからこそ、結果が生まれていると答えるしかない。対戦相手がそれなりに研究してきた時の対策は課題ではあるが、結局、監督も選手も開幕からの8試合、普段通りにプレーできていたからこそ勝利を掴めたのだ。

 そのなかで出色なのが6得点の藤本憲明だ。大阪生まれ大阪育ちの浪速のストライカーは、近畿大学卒業後にJFLからスタートし、J3、J2とキャリアアップした。J1にたどり着いた経歴を見ると、JFL時代をヴェルスパ大分で過ごしてキャリアアップしていった福満隆貴と似ている。誰もが苦労話の1つや2つを期待するが、「なんとかなるやろ」と悲壮感なくここまできたところも共通している。歩んだ道を苦労と捉えない新時代の“成り上がり対決”に注目したい。 

 もう1つの楽しみな対決となれば、大分アカデミーの“同期対決”だ。清武弘嗣と小手川宏基。中学校の頃から2人を知る片野坂知宏監督は、「大分に、あの時代にあの2人がいたことが奇跡」と、2人の技術の高さに驚いたという。「大分の大空翼」と言われた清武と「大分の日向小次郎」と呼ばれた小手川が同じピッチに立てば、小学生以来となる。ただ、24日のルヴァンカップに小手川がフル出場したため、ベンチ入りするかどうかも定かでないため、実現の可能性は低いかもしれない。

 2つの対決がなくとも、今季2度目の両雄の対戦は、後方からボールをつなぐポゼッション型のチーム同士。個々のポジショニングの細部までこだわる両指揮官の高度な陣取り合戦は見ものだ。数的優位、位置的優位、質的優位のいずれかの優位性を保ったチームが、試合を支配し、結果につなげることになるだろう。

文・柚野真也