5月4日(土・祝)2019明治安田生命J1リーグ 第10節
松本山雅FC - セレッソ大阪 (14:00KICK OFF/サンアル)
試合写真・コメントなど チケット
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 4季ぶりにJ1で戦う松本山雅FC。初めてトップカテゴリーに挑んだ2015シーズンを思い返すと、最後まで持てる力は出し尽くしたものの、目標に掲げていた『トップ15』はならなかった。今季はチームスローガンである『One Soul 境界突破』にもあるように、前回の挑戦では果たせなかったJ1残留を最低限の目標として、リーグ開幕から眼前の試合に全力で臨んできた。

 その結果として、ここまでリーグ11位につける松本。もちろん今から順位表を気にするのは早過ぎるが、秋口になって焦らないためにも早いうちから勝点を積み重ねておいたほうがいい。敵地で行われた前節・FC東京戦は首位チームの強さの前に敗れたが、この苦い経験すら今後の糧にしようとする覚悟を固めている。
「チームとしても連敗は絶対に避けないといけない」という永井龍の言葉こそ、チームの総意であることは明らか。このセレッソ大阪戦は、今後を占う試金石といえる。

 とはいえ、セレッソは難敵だ。昨季オフには主力選手が何人か移籍しているものの、その穴を埋めるだけの補強を行った。特にアタッカー陣は豪華絢爛で、柿谷曜一朗や清武弘嗣などの既存戦力に加えて、都倉賢や奥埜博亮ら新戦力も経験ある実力者だ。さらに新たに就任したロティーナ監督、昨季も東京Vとの試合では大いに苦しめられた。最初から最後まで主導権を握られる展開となることも想定される。

 そのなかにあって、セレッソ戦へ闘志を燃やすのが、今季から背番号11をつける永井だ。「中学1年から23歳まで、お世話になった古巣」のことを気にしないはずがない。もし前節同様の選手構成と仮定すれば試合途中からの登場になりそうだが、「セレッソはタレントが揃っている強豪だが、個人的にはV・ファーレン長崎所属時 にセレッソ戦で得点しているのでイメージは良い。セレッソサポーターの皆さんも自分のことを気にしてくれていると思うので、『永井が移籍した松本はすばらしいチームだな』というのを見せたい」と、今から恩返しを誓っている。

 セレッソとは同カテゴリーだった3季前にも対戦している。1勝1敗 、お互いにホームスタジアムで勝てなかったという皮肉な結果に終わった。
 今季の松本は開幕からリーグ戦全試合のチケットが事前に完売。これもJ1効果の1つだが、ゴールデンウィークに行われる今節も大きな注目を集めることは間違いない。会場のサンプロアルウィンはすばらしい雰囲気で満ちるはずだ。その熱気も、また松本を後押ししてくれることだろう。

文・多岐太宿