5月8日(水)JリーグYBCルヴァンカップ 第5節
名古屋グランパス - セレッソ大阪 (19:30KICK OFF/パロ瑞穂)
試合写真・コメントなど チケット
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 なんの偶然かはたまた運命か、今季は3月から1カ月おきに対戦を重ねること3度目。
J1リーグ戦(3月2日・パロ瑞穂)ではバシッと2-0で勝たせてもらったが、ルヴァンカップ(4月10日・ヤンマー)では0-3と手ひどくやられてしまった。この2試合は互いにメンバーが全く異なる対戦による結果だったのだが、今回は負けた試合時のメンバーによる戦いということで、名古屋は気合を入れ直しているところ。リーグ戦は2位と好調を維持する名古屋だが、ルヴァンカップではグループリーグ突破の当落線上にあることもあり、今節は「とにかく結果重視でやりたい」(櫛引一紀)とチームの意識も勝敗に注がれている部分がある。もちろん『なりふり構わず』の戦いはあまりしないチームだけに、まずは内容を充実させ、スタイルを貫いた上での勝負論にはなってくるのだが。

 ただし、前回対戦は見事なまでに自分たちのやり方を逆手に取られただけに、やはり選手たちが見据えるのは名古屋の文脈での勝利ではある。ロングボール戦術に自陣を切り裂かれた反省はすでに浸透しており、今回もサイドバック起用が予想される相馬勇紀も、「2失点目の裏に走られたところは今までに経験したことがなかったことだったけど、これだけ練習を積んできて自分の中の形になってきた」と自信を持つ。試合後にゲームメイカーとしての力不足を悔やんでいた伊藤洋輝も「距離感と全員がボールを受ける意識を持って、ワンタッチ、ツータッチの速いテンポでやりたい」と意気込んでおり、攻守にスピード感のあるプレーを誓う。ちなみに彼と菅原由勢はFIFA U-20ワールドカップの日本代表メンバーに選ばれればルヴァンカップの最終節には出られず、また大会へ向けた貴重な実戦の場としても、この一戦を重要視する選手たちだ。セレッソ大阪にも同代表候補がいるが、彼らとの激突も見どころの1つにはなってくるだろう。

 勝点2差でセレッソを追う名古屋は、勝てばグループ内の順位をひっくり返せるチャンスでもある(順位表)。今季はホームゲームの盛り上がりが尋常でないこともあり、そうした後押しも力に変えつつ彼らは勝利だけを見据える。得失点差も厳しい状況で、アウェイで喫した0-3の悔しさは、それ以上の点差を持って取り返すことも必要だ。桜の名所でもあるパロマ瑞穂の桜はとうの昔に散ってしまったが、ここは今一度“桜”に激しく散ってもらうとしましょう。

文・今井雄一朗