6月30日(日)2019明治安田生命J1リーグ 第17節
湘南ベルマーレ - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/BMWス)
試合写真・コメントなど チケット
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 第13節神戸戦から横浜FM戦、広島戦、そして前節のG大阪戦と、湘南は目下4連敗の渦中にある。ゴールも遠く、広島戦は0-2、G大阪戦は0-1と、とくにここ2試合は無得点に終わっている。

 ただ、G大阪戦は後半アディショナルタイムの失点に敗れこそしたものの、ゲームのディテールはこれまでの黒星とは少し異なっていた。局面のタイトな寄せやゴール前で体を張る守備、足を止めないことなど、薄れていた自分たちの原点をいま一度見つめ直し、1失点こそすれ、試合を通して体現したのである。

 週があらたまり、チームはオフ明けからふたたびハードなトレーニングに取り組んでいる。足を止めずにボールを動かし連動し、球際のバトルは激しい。互いの切磋琢磨に競争力は増し、なにより苦しいときにもう一歩を求める日常が湘南らしい。

 曺貴裁監督は言う。
「ボールを奪う作業についてはJ1のなかでも高いほうだと思う。ただ一方で、奪ったボールをまた相手に渡してしまい、その繰り返しのなかで集中力が切れてやられてしまうようなところがある。奪ったあとに相手を休ませず、逆にうちの選手が休まない気持ちをつくっていかなければいけない」

 今節迎えるC大阪は失点が少ない。「しっかり守って決めるべきところで決めるチーム」そう相手の印象を語るのは、ジュニアからユースまでをC大阪で過ごした鈴木冬一だ。
「守備は安定し、ブルーノメンデス選手のように点を取る選手もいる。逆に自分たちは相手に決めさせないで泥臭く仕留めることが大事かなと思います」

 アカデミーの頃はスタジアムによく足を運び、ジュニア時代には瀬古歩夢や喜田陽(福岡)とともにテレビ番組の企画で柿谷曜一朗らトップチームの選手とサッカーテニスで対決したこともあるという。「あの頃プロになりたくて憧れていたチームと対戦できることが楽しみ」鈴木は屈託なく今節に想いを馳せた。

 チームとしては、0-1で敗れた第11節大分戦以降、先制点を奪えていない。ここ2試合は無得点に終わってもいる。リーグでも指折りの堅守を示すC大阪に対し、球際や走力など自分たちのベースを変わらずに発揮しながら、相手に先んじてゴールをこじ開けたい。

文・隈元大吾