7月20日(土)2019明治安田生命J1リーグ 第20節
セレッソ大阪 - ベガルタ仙台 (19:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 関口訓充が仙台に戻ってから、もう1年以上が経った。2004年に当時J2の仙台でプロデビューし、J1昇格後の2012年までプレー。その後、浦和レッズとセレッソ大阪で経験を積み、昨年4月10日に6シーズンぶりに仙台の選手となった。

 仙台は、彼にとって大切な場所である。そして、これまでに所属したクラブもまた、「すべての経験が自分に活きています」と大事にしている。若手から中堅になる頃に所属した浦和では経験豊富なベテラン選手と接することが多く、そうした選手たちから教えられることが多かったと言う。
 そして2015~2017年まで所属したセレッソでは、逆に自身より年下の選手が多い立場になっていた。
「多くのアカデミーからの生え抜き選手がチームを支えている環境も初めてだったし、多くのU-23選手と一緒にプレーしたのも初めてでした」
 彼にとって新鮮な空気のもと、J1昇格や、2017年のカップ戦2冠達成など、得がたい経験をした。

 そして様々な経験を携えて戻った仙台で、彼は活躍を続ける。仙台復帰後、セレッソ戦ではなかなか出場機会がなかった関口だが、主力としてコンディションを整えている現在、ついに古巣戦の出場機会をつかめそうなところにきている。

 所属経験を抜きにしても、彼はこの試合におけるキーマンの1人といえる。今季の仙台は、昨季から10人もの選手が入れ替わり、チームとして発展させ続けてきたスタイルをなかなか実践できず苦労してきた。しかしJリーグYBCルヴァンカップと並行して戦う中で力をつけ、4-4-2を基本布陣とする戦い方に落ち着いて盛り返す。6月には明治安田J1リーグ戦で全チーム唯一の4連勝を果たしたが、関口はそのうち第16節・FC東京戦と第17節・北海道コンサドーレ札幌戦で2試合連続決勝ゴールをあげた。
 攻撃の勝負どころで前を向き、ゴール前に顔を出せる選手。そして、守備でも周囲の選手とゾーンの中で相手を見るときと、相手キーマンをマンマーク気味に見るときとの使い分けができる選手。セレッソの流動的な戦い方に対抗する上で、重要な存在だ。

 しかしそのキーマンは現在、自身の調子よりもチーム状況を気にかける。前節・鹿島アントラーズ戦で、仙台は0-4の大敗をホームで喫してしまった。「ロッカールームでみんなと『このままズルズル引きずっては駄目だ!』と話をしてきました。悪い流れを切るため、練習で前の週以上の力を出さないと」。鹿島戦後に危機感を表していたベテランは、週明けの練習でその言葉どおりに周囲を盛り上げる。

 今回の試合会場であるヤンマースタジアム長居は、関口にとってセレッソ時代にもお馴染みの場所。しかし遡ること2008年には、仙台の一員としてJ2第41節にこの場所で貴重な同点ゴールを決めた経験がある。両チームでの思い出が残る場所で、彼はチームを勝利に導こうと奮闘する。

文・板垣晴朗