8月24日(土)2019明治安田生命J1リーグ 第24節
ジュビロ磐田 - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/ヤマハ)
試合写真・コメントなど チケット
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 今季開幕から1度も連勝がなく、波に乗ることがないままJ1も残り11試合と3分の2が終了した。勝点18で最下位に低迷しているジュビロ磐田は、自動で残留が決まる15位との勝点差が8と、J1残留に向けて厳しい状況に追い込まれている。
 また、 第17節後に辞任した名波浩監督の後を受けた鈴木秀人監督も、わずか5試合で体調不良により続投が不可能となり、15日にクラブは退任を発表。先週の天皇杯3回戦・八戸戦、J1第23節G大阪戦と小林稔ヘッドコーチが暫定的にチームを指揮する緊急事態に見舞われた。成績不振という危機的な状況に加えて2度の監督交代と、まさに今、チームはどん底にいる。

 この緊急事態で迎えた前節・アウェイのG大阪は、前半15分でFWルキアンが2度目のイエローカードを受けて試合開始早々に退場。約70分間を10人で戦わなければならない逆境にも追い込まれた。我慢したい時間帯でもあった前半44分に失点を許したが、ピッチに残った10人がハードワークを続け、後半も懸命に追加点を阻止し続けた。するとラストプレーとなった後半アディショナルタイム、82分から途中出場となった中山仁斗がPKを獲得し、自ら決めて劇的な形で勝点1を獲得。
「これを次以降に繋げないと意味がない。もちろん勝点1で状況が変わったわけではないですが、この勝点1を転機にできるようにみんなでやっていきたい」と試合後に話した山田大記。この貴重な勝点1を価値あるものに変えるためにも、今節の結果が非常に重要となる。

 19日にクラブは、正式監督としてスペイン人のフェルナンド フベロ新監督の就任を発表。最下位に低迷するチームの立て直しを、残り11試合という短い時間で託した。20日の就任記者会見では、「今、ジュビロは難しい状況にあるし時間も限られている。ただこの状況から脱して順位を上げる自信がある」と熱い言葉でチームの立て直しを誓った。Jリーグへの登録が間に合えば、今節セレッソ大阪戦が新監督としての初陣となる予定だ。

 この一連の監督交代のドタバタ劇を思い返せば、そのターニングポイントにもなったのがセレッソとの前回対戦(第16節)。スコアでも内容でもセレッソに圧倒される完敗を喫したことで、名波浩監督の辞任にも少なからず影響を与えた。その敗戦を「今年の試合の中でも、結構メンタルにくる試合だった。本当に完敗だったイメージがある」(小川大貴)と振り返る選手も多いだけに、そのリベンジにも燃えている。新たなスタートを切るためにも、フベロ新監督を迎えて今節でこの悪い流れを断ち切りたい。
「残留に向けてやっていく中では、勝たなければいけない試合だということは変わらない。こういう経験(監督交代)が少ないですけど、これを機に1つになって新監督の下で勝ちたい」(小川大貴)。新監督の下で今季3度目の船出となる磐田。J1残留に向けて明るい兆しを手にしたい。

文・森亮太