10月18日(金)2019明治安田生命J1リーグ 第29節
北海道コンサドーレ札幌 - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/札幌ド)
試合写真・コメントなど チケット
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 札幌は勢いに乗っている。国際Aマッチウィークのインターバル中に開催された2019JリーグYBCルヴァンカップ プライムステージ準決勝でガンバ大阪を2試合合計で下して勝利。クラブ史上初めてとなる決勝進出を果たし、新たな歴史を書き記している最中だからだ。

 とりわけ、準決勝第2戦(10/13・日)の戦いぶりはたくましかった。アウェイでの第1戦を1-2のスコアで落としており、逆転勝利するためには第2戦で無失点もしくは2点差以上での勝利が必要だった。超攻撃的サッカーを標榜するチームだけに無失点勝利は難しいとも思われたが、後半31分にFW鈴木武蔵が奪った虎の子の1点を粘り強い守備で守り切ってしまったのである。終了間際は相手の猛攻にさらされたが、そうした場面をしのいで歴史を作った完封勝利は観る者の心を揺さぶり、選手たちには大きな自信を与えたのではないだろうか。

 そうした勢いそのままに挑むこのセレッソ大阪戦だが、気がかりなのはコンディション面だ。相手のセレッソには公式戦がなかったのに対し、札幌はG大阪との激闘をホーム&アウェイで2試合(10/9と10/13)。そしてこの試合が金曜日開催であるため、そこから中4日というスケジュールである。メンタル的には決勝進出の勢いがついているかもしれないが、身体のほうはどうやっても疲労が蓄積しているはず。ホームで戦えることは幸いだが、運動量とプレー強度の部分は普段のリーグ戦よりも若干、低下する可能性があると言えよう。
 キャプテンの宮澤裕樹は「まずはルヴァンカップからリーグ戦へ気持ちを切り替えなければいけない」としたうえで「セレッソは運動量とパスワークが噛み合っているチーム。こちらもチームとして粘り強く対応する必要がある」と警戒する。

 理屈の上ではコンディション面でセレッソが優位なだけに、札幌としては疲労を影響させない効率的な戦いがしたいところ。となると、カギを握るのはセットプレー。DF福森晃斗というリーグ屈指の左利きプレースキッカーがいるため、この選手の能力を生かさない手はない。実際に前回対戦 ではしっかりと守備を固めながら、DF福森の右CKを得点につなげてセレッソを破っているだけに、今回も同様の勝ち方を狙う可能性は多いにある。

 また、セレッソとの前回対戦は3連敗を止めた試合であり、そこから一気に流れを変えて4連勝へと持ち込んだ。今回もセレッソを破り、ルヴァンカップ決勝に向けて良い流れを作りたいところだ。

文・斉藤宏則