11月9日(土)2019明治安田生命J1リーグ 第31節
セレッソ大阪 - 湘南ベルマーレ (15:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 厳しい戦いが続いている。湘南ベルマーレは監督が不在となった第23節・鳥栖戦以降2分6敗と勝利がない。浮嶋敏監督が指揮を引き継いでからも、前々節・横浜F・マリノス戦は1-3、前節・ガンバ大阪戦は0-3といずれも敗れ、順位もJ1参入プレーオフ出場圏の16位まで後退した。

 尋常ならざる状況下、加えて台風19号の影響で練習場が冠水し、グラウンドを転々とする日々だ。しかし度重なる逆境のなか、チームは現状を打破すべく、新指揮官のもとで課題と向き合っている。

 今週特にフォーカスしているのが、複数失点が続く守備面だ。G大阪戦では、試合開始まもなくセットプレーの流れから先制を許し、前半終了間際にはバイタルエリアをワンツーで攻略された。くだんの内容を踏まえ、彼らは自分たちらしい守備の連動を今一度見つめ直し、意識の共有を深めている。
 浮嶋監督は言う。
「ガンバ戦では行くところと行かないところの整理が結果的にできていなかった。でも我々には今までできていたことがベースとしてある。うちの最もいい守備の形を確認しました」

「先週以上にみんなの意識はまとまったと思う」
 たとえばボランチの金子大毅がそう口にしたように、選手たちも守備の感触を覚えているようだ。そしてその手応えはそのまま今節に活かされよう。

指揮官はセレッソ大阪の印象に触れつつ週末を見据える。
「組織的なチームだと思います。相手によってオーガナイズを変えたり、緻密にやられている印象がある。ただうちは今、相手を気にしすぎてそちらに引っ張られるのはよくない。相手うんぬんよりもまずは自分たちのベストのゲームをすることが大事だと思っています」

 一戦にとりわけ特別な想いを抱くのは、セレッソのアカデミーで育った鈴木冬一である。しかし、「小学生の頃から憧れていたスタジアムなので思うことはありますけど、それは試合が終わってからにします」と笑う。
「特別な試合になると空回りしてしまう自分がいるので、あまり考えないようにしています。今はなにも考えずに無心で、ベルマーレのサッカーのことだけ考えたい」
鈴木もスタメンに名を連ねた6月の前回対戦 は、0-2で敗れた。堅守を築く強敵であることは疑いないが、自分たちらしい守備から淀みなく攻撃へと転じ、9試合ぶりの白星を引き寄せたい。

文・隈元大吾