11月23日(土・祝)2019明治安田生命J1リーグ 第32節
ヴィッセル神戸 - セレッソ大阪 (13:00KICK OFF/ノエスタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 J1リーグ開幕戦 とルヴァンカップ2試合(第2節 第4節 )に続き、今季4度目の対戦となるセレッソ大阪とヴィッセル神戸。現時点で5位のセレッソはACL出場権獲得(3位)に望みをつなぐためにも負けられない一戦、一方の神戸は勝てばJ1残留が決まるという状況。4度目の阪神ダービーは、かなり重要な場面で迎えることになった。

 見どころは、J1リーグ最少失点(23失点)を誇るセレッソの堅守を、J1リーグ3位の得点数(53得点)を挙げている神戸がどう攻略するか。
 2月のJ1開幕戦では神戸が60%以上のポゼッション率でゲームを支配したものの、結果は0-1で惜敗。ルヴァンカップ2試合も1分1敗で負け越しており、神戸にとって今季のセレッソは“苦手な相手”と言わざるを得ない。しかも、神戸はセレッソを相手に今季まだ0得点。“堅守攻略”が神戸にとっての大きなテーマになる。

 だが、ここまで書いてきたようなデータはあまり参考にならない。というのも、神戸が6月にトルステン フィンク監督体制に移行してからは初対戦になるからだ。
 当然、夏のマーケティングで神戸にやってきた新加入選手たちにとっても苦手意識はない。DF酒井高徳は「やってないのでなんとも言えないけれど、自分たちがボールを持てる時間は多くなるとは思う」と言い、続けてこう話す。
「もし、予想通りに自分たちがボールを持てるのならば、前節・名古屋戦(0-3で敗戦)の反省を生かして、より相手にとって危険なエリアにボールを運ばないといけないと思います。セレッソは勝ちが続いていて、今節もいいリズムで来ると思う。そのリズムを自分たちが崩すようなサッカーをしないといけないので」

 相手のリズムを崩す。その点においては、アンドレス イニエスタの創造性豊かなパスや、古巣対決となる山口蛍のサイドチェンジなどが有効になる。そしてサイドからの仕掛け…。
 特に両チームの左サイドは、仕掛けが得意な酒井と丸橋祐介の2人。丸橋は前節・湘南戦で見事なドリブル突破からの柔らかいクロスで奥埜博亮の決勝点を引き出してもいる。酒井は今節の対戦を前に「丸(丸橋)は同い年ですし…」とコメントに“ふくみ”を持たせた。
 スカウティングが進んでいるシーズン終盤戦は特に、個の打開が勝敗を分ける場合がある。酒井・丸橋のプレーが、今節の大きな見どころになる可能性は高い。

 文・白井邦彦