11月30日(土)2019明治安田生命J1リーグ 第33節
セレッソ大阪 - 清水エスパルス (14:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 4月20日に第8節 で対戦した当時はヤン ヨンソン監督が率いていたが、5月から篠田善之監督に交代して立て直しを進めている清水エスパルス。一時は最下位から10位まで順位を戻したが、第28節から4連敗を喫したことで降格への危機感が強くなっている。
 だが、前節・大分トリニータ戦では土壇場で同点に追いついて貴重な勝点1をつかみ、今節で勝点3を獲得すれば自力でJ1残留が確定するという状況を手にした。アウェイでのセレッソ戦の難しさは十分理解しているが、勝って最終節を残して残留を決めたいという思いが強く、多くの清水サポーターも長居に応援に駆けつけるだろう。

 チーム状況としては、一時増えていたケガ人も多くが復帰し、プラス要素が増えている。とくに大きいのはボランチ、ヘナト アウグストの復帰だ。守備範囲が広くて球際や空中戦も非常に強い彼が守備の安定のために果たす役割は大きい。まだコンディションは万全とは言えないが、セレッソ攻撃陣の個の力を止めるためにカギを握る存在の1人となる。前節を足の痛みで回避した河井陽介も復帰できそうで、攻撃のバリエーションを増やす意味で大きな存在となる。
 また、前節で同点ゴールを決めたのは、7月に加入したブラジル人FWジュニオール ドゥトラ。これが彼にとってはリーグ戦での初ゴールで、チームにとっても非常に価値のある一発だったため、精神的にもかなり乗っているはず。今節も先発か交代出場かはわからないが、どちらにしても恐い存在となれるだろう。

 もう1人、前節に途中交代で良い流れを作ったのが、元セレッソ大阪の楠神順平だ。今季はなかなか出番に恵まれなかったが、最近は篠田監督の信頼をつかんで直近4試合中3試合で交代出場。個の力で状況を打開できる存在として、試合終盤に持ち味を発揮している。その楠神に、古巣対決にかける想いを聞いてみた。
「今のセレッソは、僕がいた頃よりもすごく堅いサッカーをしていて、守備がしっかりしている印象があります。普通に攻めていてもなかなかこじ開けられないと思うので、個人のアイデアも大事になってくると思います。僕を覚えてくれているセレッソサポーターもいると思いますし、そういう人たちに元気にサッカーをしている姿を見せたいので、個人で逆をとったり、1人はがしたりしながら自分の役割を果たしたいです」(楠神)

 篠田監督も、セレッソの印象を「今季は非常に手堅くサッカーをしているし、非常にクオリティーが高い選手が揃っている。チームとしても着実に積み上げてきているので、非常に強い相手だと感じています」と語る。
 清水としては、しっかりと組織で守ったところから良い形でボールを奪い、ショートカウンターで絶対的エース・ドウグラスの力を生かしながらゴールを狙うというのは、従来通りの持ち味。それに加えて、相手がブロックを作ったところを崩していくという部分にも日々取り組んでいる。その成果をなんとか結果につなげたいゲームでもある。
 もちろん、チーム全体で献身的にハードワークを続け、ゴールを決める、ゴールを守るという部分で強い執着心を発揮することも大前提だ。それによって粘り強くしたたかに勝点3を取りにいくのが、今節の清水のミッションとなっている。

文・前島芳雄