5月9日(土)2015明治安田生命J2リーグ第13節
ギラヴァンツ北九州 vs セレッソ大阪 (16:00KICK OFF/本城)
試合写真・コメントなど チケット
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 5連戦の終盤が大宮アルディージャ、セレッソ大阪との対戦となったギラヴァンツ北九州。前節の大宮戦では連戦による疲れや必要以上のリスペクトから出足が鈍くなり、0-2で敗戦を喫した。疲労がいっそう溜まる連戦最終日、自分たちのサッカーを取り戻してゲームを作れるか。北九州にとっては正念場となる。

 北九州のここまでの内容や戦績は少し昨季とは異なっている。「今年は引き分けがない(ここまで5勝0分7敗)」と切り出したのは柱谷幸一監督。「引き分けだったゲームを勝ちに持ってきているというのもあるが、負けゲームを引き分けにできればもっと勝点を積めている」とここまでの戦い方に多少の悔いを残す。今季の北九州は両ゴール前での攻防に課題を抱え、勝負強さを発揮しきれていない。特に守備ではGKに鈴木彩貴、センターバックで寺岡真弘を起用して再構築を急ぐが6試合連続で失点するゲームが続く。前節の大宮戦ではマークが付いていたが振りほどかれて失点したり、ミドルシュートのコースを与えて失点を喫した。若さゆえでもあるが、辛抱強く経験浅い選手を起用する指揮官も「クリーンシートのゲームを作らないといけない」と期待と注文を付ける。

 その7試合ぶりのクリーンシートをセレッソ戦で成し遂げたい。強豪相手にも失点ゼロを果たせたなら北九州の経験値はひとつ上に上がるだろう。「1人1人の質は相手のほうがまだまだ上だが、名前負け、気持ち負けしていてはやられる。自信を持って臨むべきだと思う」。そう話したのはプロキャリアをセレッソでスタートし、北九州では若手をリードするキャプテン・前田和哉だ。上述のとおり残念ながら前節の大宮戦では「みんな頭の中で相手が強いという気持ちを持ちすぎた」(風間宏希)ことが敗因。強い相手に、強いハートで臨んでこそ得られる結果がある。セレッソ戦もそれは同じだ。

 他方、攻撃では縁ある選手たちが燃えている。井上翔太は「外国籍選手以外はほぼ一緒にやってきた選手なので、みんなとやれるのは楽しみ。試合では何かを残したい」と話し、得点に絡むプレーを誓う。また「早い時間に失点するとしんどくなる。耐えられるかが大事だ」とも語り、守備面でも高い意識で臨む。さらに、最前線の大塚翔平はガンバ大阪時代、セレッソ戦に対しては「熱の入り方がいつもとは違っていた」と振り返る。北九州に来た今もセレッソ戦に懸ける思いは強く、「チャンスがあれば狙っていきたい。連敗したら流れが悪くなるので勝ちを目指していきたい」と意気込んでいる。

 気持ち負けしてはいけない。「お客さんも入るだろうし、注目されるゲームになる。そこに勝つことでさらに注目される」と指揮官も力が入る。「いいゲームをしていても、結果を出さないと評価されないのが現実だ」。難敵だからこそ結果を。連戦疲れをも吹き飛ばす熱い試合を見せつけたい。

文・上田真之介

プレビュー:連敗で迎えた5連戦最後の一戦を前に、ミーティングで意思統一。今節を巻き返しの第一歩に