5月28日(土)2016明治安田生命J2リーグ第15節
セレッソ大阪 - ファジアーノ岡山 (18:30KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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「J2で一番楽しみな試合であることは間違いない。それに、自分たちにとって、これからに繋がる大事な試合なので、強い気持ちで向かっていきたい」。こう話すのは、セレッソのアカデミー(U-15、U-18)出身のDF篠原弘次郎。多くの選手が「楽しみ」だと話すこの対戦を、ファジアーノ岡山はセレッソ大阪と同じ勝点で迎える。

  岡山のチームスタッフはシーズンを3つのクール(区切り)で捉え、第1クールである第14節までに、昨季終盤14節分の勝点(23)を超えることが目標の1つだった。それは前節・愛媛戦の勝利でクリア。プラス2を上積みすることもできた。しかし、もちろん息つく暇はない。昨季は第2クール(15〜28節)で得た勝点がわずか「13」で、夏場に失速したチームとしてはここからが正念場だ。
 ボランチの矢島慎也が第44回トゥーロン国際大会出場のため欠場、さらにケガによる離脱者も多い状況が重なっているが、「それでも勝たなくてはならないし、積み上げなければならない」(長澤徹監督)と腹は据わり、選手一人ひとりの頼もしさは増している印象がある。

 たとえば、FW片山瑛一はこれまでにリーグトップの7アシストを挙げているが、そのうち3つがロングスローによるもの。チームの武器として確立されているだけでなく、ボールを迂闊にクリアすることもできないプレッシャーを対戦相手に与えている。また、前節・愛媛戦は1−1の状況で交代出場したMF澤口雅彦は、展開によってポジションを変える難しい役どころではあるが、チームに安定感をもたらし、出場時間が短くても一度はチャンスシーンを作り出す。そういった個人の持ち味が今、最大限に発揮されている。

 冒頭の「楽しみ」という言葉は、セレッソのすばらしいタレントたちと相見えるという心湧き立つ感情だ。長澤監督は対戦相手についてこう話す。
「この3試合は勝点をあまり積み上げてないとはいえ、チャンスは多く、その質も高い。ラスト30mの攻撃のバリエーションはJ2で一番多いんじゃないかな。堪えるところは堪える、行くところは行く、というメリハリをつけてゲームをやることが大事だと思う」
 監督はあえて口にしなかったが、もっとも大切なことは選手に浸透している。「セレッソ相手なら、今の自分にどれくらいの力があるのか、はっきりとわかる。でもそのためには自分の強気なプレーをどんどん出していかなければならない。誰であろうと目の前の選手に負けない」。篠原の言う、この「強気」が今節の勝敗を分けることになるはずだ。

文・尾原千明