4月29日(水・祝)2015明治安田生命J2リーグ第10節
セレッソ大阪 3-0 京都サンガF.C. (17:04/金鳥スタ/14,631人)
試合写真・コメントなど
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 今季初の関西ダービーとなった京都サンガF.C.との一戦で、セレッソ大阪はフォルランのJリーグでの初となるハットトリックで3-0と勝利した。4試合ぶりの無失点でようやく今季初の連勝を達成し、勝点を18に伸ばしたセレッソは4位に浮上。同日敗れた首位のジュビロ磐田、引き分けた2位のツエーゲン金沢(同22)との勝点差を4に縮めた。

 明治安田生命J2リーグ戦第10節。14日間で5試合という連戦の最中、カマタマーレ讃岐とのアウェイ戦から中2日での試合となった一戦で、セレッソは前節からメンバーを変更。パブロが2試合ぶり、関口訓充が第2節以来8試合ぶりに、先発に名を連ねた。一方の京都は、「前節いい勝ち方ができたので、そのままのメンバーで今回は臨もう」(和田昌裕監督)ということで、先発に変更はなし。今回も大黒将志らが控えに回った。

 ホームゲームでは2連敗中だったこともあり、「その流れを変えなければいけない」(パウロ・アウトゥオリ監督)という強い思いで臨んだセレッソ。試合の入りこそ、前線の有田光希を中心に前からプレスをかけてくる京都に対してミスなどで後手を踏みかけたが、そこで流れをセレッソに引き寄せたのはハードワーカーの32番だった。
「自分が入ったときには、行けるときには前を追いかけて、無理なときには引いて、取ったときには前のFWの選手を追い越して、厚みを増して攻撃したい思いがあった」と言う関口に触発されるかのように、チーム全体も徐々にギアが上がっていく。すると、こちらも前節から活躍著しい楠神順平が、その関口のスルーパスに反応。ペナルティーエリアで相手GKに倒されPKを獲得する。これをフォルランが決めて、18分、セレッソは先制に成功した。

 その直後には、FKから京都にゴールを割られそうなシーンもあったが、相手のオフサイドもあり、難を逃れたセレッソ。そこからはフォルランのクロスバー直撃のシュートなどもあり、さらに桜色の戦士たちが攻勢を強める。再びスタジアムに歓喜が響き渡ったのは、33分。左サイドでのFKで「クロス気味でゴールに向かったボール」をフォルランがストレート気味に蹴ると、これが直接ゴールイン。フォルランの技術、さらにゴール前のセレッソの選手たちの動きが導いた得点により、リードを広げることができた。

 2-0で迎えた後半も、主導権はセレッソ。京都が大黒、山瀬功治というベテラン2人を投入し反撃に来るも、楠神や関口、山口蛍らの桜色の戦士たちのハードワークは落ちることがなく、京都に散発的な攻撃しか許さず。逆に、フォルランのFKからゴール前の混戦で扇原貴宏が押し込んだシュートを京都DFがハンドでストップ。再びPKを得ると、フォルランが2度目のPKを真ん中に蹴り込み、セレッソサポーターを三たび、熱狂させた。

 その後も、PK時の退場処分で1人少なくなった京都に対し、パブロや途中出場のカカウ、安藤淳らも好機を迎えるなど、貪欲にゴールを取りにいったセレッソ。「もっと点を取って点差をつけて勝たなければいけない試合だった」(パウロ・アウトゥオリ監督)と課題も残ったが、最後まで集中は切らさず無失点に京都を抑え、ホームゲームでは第4節・横浜FC戦以来となる勝利、キンチョウスタジアム今季初白星を得た。

 ただし、「今日の勝利に慢心せず、しっかりと自分たちのサッカーを続けていきたい」(椋原健太)、「3点以上取るチャンスはあったので、3-0という結果に満足せずに、しっかりしなくてはと思う」(山口)と勝って兜の緒を締め直したセレッソイレブン。さらなる躍進のため、すぐに中3日でやってくる次節を見据えていた。

文・前田敏勝

試合後の両チーム選手コメント
試合後のパウロ・アウトゥオリ監督 記者会見コメント