5月6日(水・休)2015明治安田生命J2リーグ第12節
セレッソ大阪 vs ジュビロ磐田 (16:04/金鳥スタ/15,914人)
試合写真・コメントなど
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 ゴールデンウイーク最終日の6日、J1昇格争いのライバルの1つ、ジュビロ磐田とのビッグマッチに臨んだセレッソ大阪。1万5914人の観衆でキンチョウスタジアムが埋め尽くされたなか、その後押しも力にして激闘を繰り広げたが、結果は1-2と逆転負け。1カ月間でホーム3敗目、今季2度目の2連敗、42試合中12試合を終えた段階で4敗目という屈辱を味わうことになっただけでなく、首位ツエーゲン金沢(勝点26)との差は8に、J1自動昇格圏の2位磐田(同25)との差も7に、それぞれ広がってしまった。

 前節の敗戦もあり、今回は是が非でも勝利を得るべく、セレッソイレブンの気合いは高まっていた。しかも、選手入場時、スタジアムがセレッソカラーのコレオグラフィに彩られ、セレッソゴール裏には”For the Top of Dreams”のビッグフラッグも広げられるなど、サポーターが作り出してくれた雰囲気も最高潮に達していた。チームが一体となって勝利へ向かう準備はできていた。

 試合を振り返ると、フォルラン、カカウ、パブロが第7節金沢戦以来5試合ぶりに揃って先発したセレッソは、山口蛍、扇原貴宏、長谷川アーリアジャスールの中盤陣や、DFリーダーの山下達也、運動量豊富な椋原健太らをはじめ、攻守にアグレッシブな気持ちの入った姿勢を見せ、前半、押し気味に試合を進める。すると、ハーフタイム直前、山口のアーリークロスから磐田DFのオウンゴールを誘い、前半を1-0で折り返すことができた。

 後半も、早々にフォルランがカットインからシュート、58分には丸橋祐介のスルーパスに抜け出したカカウがGKと1対1になる決定機を作るなど、追加点の好機を作ったセレッソ。しかし、磐田GKカミンスキーの壁を破れずにいると、流れを磐田に明け渡す。前線トリオから運動量が減り、中盤以降も連戦の影響も重なってか徐々に足が重くなる。加えて、磐田が松浦拓弥を投入して攻撃に厚みを増してきたところで、押し込まれると、69分に失点。3試合ぶりの出場となった磐田のエースFWジェイに鮮やかに決められた。1-1とされたことで、セレッソが意気消沈したのは、誰の目にも明らかだった。

 78分、楠神順平と関口訓充という、最近の試合で好調さが光った2選手がようやく投入され、彼らを中心に状況を打開しようとしたセレッソ。しかし、82分にMF川辺駿、85分にFW中村祐輝と、着実に攻め手を打ってきた磐田の前に劣勢を跳ね返せずにいると、88分、悪夢が待っていた。小林祐希の左クロスをアダイウトンにヘッドで叩き込まれ、ついにリードを許してしまった。終了間際、丸橋、楠神が絡んでゴール前でチャンスを作ったが、またもカミンスキーに阻まれ、そのこぼれ球もカカウが詰め切れず、万事休す。2連敗中、中2日でのアウェイ連戦、札幌から大阪に直接移動してくるタイトな日程でやってきた磐田を相手に、運動量でも上回られたうえでの、痛恨きわまりない敗北に、スタジアムがブーイングに包まれるのも、当然のことだった。「今日の敗戦の結果は、監督としてすべての責任を負うべきもの」、試合後の会見でアウトゥオリ監督はチームを代表して反省の弁を述べていた。

 それでも、次節は中2日ですぐにやってくる。黒星を喫したあとに再三述べていることだが、この敗戦をひきずっている暇はない。「落ち込んでいたらJ1昇格はできないと思いますし、戦っていけない。しっかり準備して勝点3を目指して頑張りたい」(関口)、「またすぐに試合は来るので、この試合の反省というのを次にぶつけたい」(長谷川)。桜色の戦士たちはプライドにかけても、ここから這い上がる。もうこれ以上、同じ轍を踏む失態は許されない。

文・前田敏勝