7月12日(日)2015明治安田生命J2リーグ第23節
セレッソ大阪 3-1 コンサドーレ札幌 (19:04/金鳥スタ/9,602人)
試合写真・コメントなど 
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 明治安田生命J2リーグ戦第23節、セレッソ大阪はホームのキンチョウスタジアムで、勝点1差の眼下のライバル・コンサドーレ札幌と対戦し、田代有三のセレッソ加入後初得点と、玉田圭司の第2節大宮アルディージャ戦以来となる1試合2ゴールの活躍もあり、3-1と勝利。3試合ぶりの白星で、勝点を38に伸ばし、再び順位を4位に上げた。

 試合前、「ディフェンスの安定感は継続したからこそ出てきたもの。継続性は、攻撃においても、やはり時間をかけていくのも必要。今いる選手たちへの信頼感というものは、私は変わらない。得点が決まってないからといって焦らないで、しっかりと高い意識を持ってやるべきことをやっていく」と述べていたのは、パウロ・アウトゥオリ監督。最近2試合スコアレスドローに終わり、なかなか成果を出せていなかったものの、田代、玉田、関口訓充、パブロと、3試合続けて同じ攻撃陣を信頼して送り出すと、その指揮官の思いに、彼らがしっかりと応えた。

 形になって表れたのは、前半の17分。札幌DFのクリアミスをパブロが奪ってからだった。相手をひきつけた7番が絶妙のヒールパスを出すと、これを受けた田代が「本当に落ち着いて、コースだけ狙って、強気で」右足を振り抜き、前セレッソGKク ソンユンからゴールを決めきった。「3試合連続スターティングメンバーでフル出場で使ってもらっていたので、なんとか本当に結果を出したかった」という19番の得点が、チームに流れを呼び込んだ。

 さらに、37分にも追加点が生まれる。この日、累積警告により出場停止となった山口蛍に代わって、これがセレッソでの初先発となった橋本英郎と扇原貴宏のパス交換がきっかけとなり、扇原が隙を突いて縦パスで攻撃にスイッチを入れる。それを受けたパブロが田代とのワンツーで中央を崩すと、パブロのラストパスに反応した玉田が、得意の左足で鮮やかにゴールへ突き刺した。

2-0で折り返したなか、56分に後半から出場していた札幌FW都倉賢にヘディングシュートを叩き込まれ、一時は1点差に詰め寄られたセレッソ。「集中力を欠いたプレーからボールを奪われて失点をしてしまった」(アウトゥオリ監督)こともあり、嫌な流れになりかけた。しかし、その暗雲を振り払ったのが、前半にゴールを決めていた2トップだった。
 62分、左サイドの丸橋祐介から斜めにパスが入ると、パブロが相手DFとつぶれるようにしながらスルーし、中央の田代にボールが収まる。すると、田代はゴールに背を向けながら、絶妙ヒールパス。これを受けた玉田が難なくループシュートを決め、再びリードを2点に広げた。これで、ほぼ勝負は決まった。 

 その後、パワープレーを仕掛けて来る札幌に終盤は押し込まれることも多かったが、GKキム ジンヒョンの好セーブやDF陣の踏ん張りなどもあり、札幌にゴールを許さず。ホームゲームでは6月21日の第19節・徳島ヴォルティス戦以来となる勝利で、試合後には『Cerezo(サクラ)満開』がキンチョウスタジアムに響き渡った。

 蒸し暑さや連戦の影響もあり、札幌の動きが鈍かったのは、相手のバルバリッチ監督も認めるところ。それでも、連戦の条件は同じ。そこで、セレッソとしてはチームの一体感を出して、最後までハードワークを惜しまなかっただけでなく、攻撃陣の奮起によりJ1昇格争いのライバルに勝ちきった意義は大きい。「今日は収穫がある勝点3だった」と言う田代は、「長丁場のJ2では夏が一番大事だと思うので、そこで早く(J1自動昇格圏内の)2位に行けるように頑張りたい」と、セレッソ真夏の反攻へ、さらに気合いを込めていた。

文・前田敏勝

試合後のパウロ・アウトゥオリ監督(セレッソ)記者会見コメント 
試合後のセレッソ選手コメント