7月18日(土)2015明治安田生命J2リーグ第24節
京都サンガF.C. 1-0 セレッソ大阪 (18:04/西京極/13,998人)
試合写真・コメントなど 
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 明治安田生命J2リーグ第24節、セレッソ大阪はアウェイで京都サンガF.C.と対戦した。
心配された台風11号も試合当日の午後には日本海に過ぎ去り、青空の下で行われた一戦だったが、セレッソは開始2分に喫した失点が最後まで重くのしかかり、0-1で敗戦。10試合ぶりに喫した黒星は、2位のジュビロ磐田との勝点差が9に広がる痛恨の1敗となった。

 開始早々の失点について、「(相手の)ロングボール1本だったので、簡単に失点し過ぎた」と振り返ったのは山口蛍。京都の左サイドバック磐瀬剛のフィードに対して前線で有田光希に収められ、サイドへ展開され、宮吉拓実のシュートをGKキム ジンヒョンが弾いたところを逆サイドから伊藤優汰に詰められ、ゴールを奪われた。有田との競り合いで後手を踏んだ染谷悠太が「耐えることができなかった」と唇を噛めば、田代有三も「僕らFWを含めて、開始15分くらいはプレッシャーが緩かった。失点のシーンも相手にフリーで簡単に裏に蹴られ過ぎた」と試合の入り方を反省した。

 ただし、あまりに早い時間帯での失点だったため、セレッソにも挽回する時間は残されていた。しかし、今節は攻撃の面でもうまくいかなかった。「今日は前に入ってからの(攻撃の)工夫もなかった。サポートも足りなかったし、ミスも多かった」(山口)、「先制された後、チャンスが作れそうな雰囲気もあったけど、全体的に落ち着きがないまま90分続いてしまった」(橋本英郎)。今節、初めてダブルボランチを組んだ2人はそう話した。石丸清隆新監督になり、京都がまず手を加えたのが守備だ。「バラバラで行かないように、行くところと行かないところをハッキリした。全員で意思統一した」(田森大己)、「今までは個人個人で守りに行って、1人がかわされたらズレが生じていたけど、今日はプレスとカバーで連動して守れた」(伊藤優汰)。京都の選手がそれぞれ試合後に手応えを語ったように、“新生・京都”は今節に向けて取り組んできた守備が機能した。

「プレッシャーが早いとは思わなかったけど、相手が取りたいところに自分たちから突っ込んでしまった。目先を変えることができなかった」と橋本は自分たちのボールの動かし方に課題があったとした。それもやはり、開始早々の失点が影響していた感は否めない。「立ち上がりに相手に先制されて、ちょっと焦ってしまった部分もあったし、簡単にボールを失う場面も多かった」。丸橋祐介も、失点によってチームに生じた違和感を証言した。

 今節は、試合に臨む気持ちの面でも相手に劣った。石丸新監督となってホーム初戦となった京都が見せたハードワークに対し、セレッソは攻守にやるべきことをやり切れなかった。「一人ひとりがこれくらいでいいかと思っていた部分もあったかもしれない。相手の気持ちも入っていたと思うし、自分たちももっと魂込めて戦わないといけなかった。2度とこういう試合はしたくない」。山下達也はチーム全体の悔いを代弁した。
 次節のファジアーノ岡山戦は中3日でやって来る。舞台はホーム・キンチョウスタジアムだ(7/22<水>19:00キックオフ)。「(今節は)忘れてはいけない試合だけど、次の試合に向けてコンディションを整えていきたい」と試合後に顔を上げたのは玉田圭司。今節の不甲斐ない内容で失った信頼を、次節、桜のイレブンはホームで必ずや取り戻さなければいけない。そして今後、10試合ぶりに喫した今節の敗戦を糧に、再び勝点を積み重ねて上位を追撃していきたい。

文・小田尚史