8月8日(土)2015明治安田生命J2リーグ第28節
セレッソ大阪 1-1 ジェフユナイテッド千葉 (19:49/金鳥スタ/11,502人)
試合写真・コメントなど
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 明治安田生命J2リーグ第28節、4位セレッソ大阪は、勝点3差で7位のジェフユナイテッド千葉との一戦に臨み、1-1のドローに終わった。第5節での対戦同様、終了間際のゴールで土壇場に追い付く形となったが、ホームゲームで宿敵に勝ちきれず。2位ジュビロ磐田(勝点51)との差を縮められなかった勝点45のセレッソは、3位東京ヴェルディ(勝点49)との差が4に広がり、5位アビスパ福岡にも勝点で並ばれた。

 雷の影響で開門が18時30分以降に、キックオフも45分遅れの19時49分となった、今回の一戦。それでも、関係者の努力、来場者の協力もあり、無事開催にこぎつけることができた、8月8日、『キンチョウスタジアム5周年メモリアルマッチ』。試合時は好天に恵まれ、スタンドも11,502人の観衆で埋め尽くされる素晴らしい雰囲気のなか、草創期のデザインをイメージした記念ユニフォームをまとった桜色の戦士たちは、絶対に勝たなければいけないビッグゲームに臨んでいた。

 山口蛍が東アジアカップ出場のため前節に続いて欠場。丸橋祐介も累積警告により出場停止。核となる選手が不在のなか、昨シーズンの天皇杯準々決勝千葉戦以来となるセレッソでの先発となった秋山大地が、ボランチの一角で出場。また、第15節ロアッソ熊本戦以来13試合ぶりに椋原健太がスターティングメンバーに名を連ね、左サイドバックに入った。そして、7月末からチームに加入したエジミウソンとマグノ クルスも揃って登録メンバー入り。なかでも、エジミウソンはセレッソでの初陣が、いきなり先発出場となった。

 前半から主導権を握ったのは、セレッソ。千葉にセットプレーを与えるシーンも散見されたが、これをしのぐと、両サイドからの攻撃、関口訓充のドリブルなどでチャンスを切り開き、田代有三やパブロらに好機が訪れる。しかし、シュートは千葉GK高木駿の好守や、千葉守備陣の身体を張ったディフェンスに阻まれてしまう。スコアレスで迎えた後半も、序盤から攻勢を仕掛け、パブロのスルーパスなどでゴール前に迫るが、エジミウソンが打ち切れないなど、1点が遠い。すると、70分、警戒していた千葉DF中村太亮の左足でのコーナーキックから失点。前回の対戦でも2得点を決められていた千葉FWネイツ ペチュニクに押し込まれた。

 0-1となってから動いたのは、パウロ・アウトゥオリ監督。74分、酒本憲幸、パブロ、橋本英郎に代えて、茂庭照幸、マグノ クルス、吉野峻光を投入。第15節熊本戦以来となる一挙3枚替えで勝負に出る。守備を固めてきた千葉に苦しみながら、関口や吉野らの奮闘や、時にはDF山下達也も前線に残ってパワープレーに参加するなど、サポーターの大声援を力に、遮二無二ゴールを狙ったセレッソ。千葉の術中にはまりかけたが、想いが実を結んだのは、アディショナルタイムの90+2分だった。中央のマグノ クルスが田代とのワンツーを仕掛け、思い切りよくミドルシュート。これが見事に決まり、『新助っ人』の初出場初得点で同点に追い付いただけでなく、逆転勝利へ俄然ムードは高まった。

 ただ、勝ち越し点は奪えず。「勝たなくては意味がないので」(椋原)、「チャンスはあったのに、そこで勝ち切らなくてはいけなかった」(エジミウソン)と、試合後のイレブンは誰もが悔しさをにじませた。それでも、「もうあまり周りのことを気にせず、僕らは勝たないといけないので。(中略)相手うんぬんではなく自分らに向き合ってできるように頑張りたい」と橋本も言うように、J1昇格へ、セレッソにもう立ち止まっている時間はない。次節、FC岐阜とのホームゲームをはじめ、大事な試合は続いていく。

文・前田敏勝