9月13日(日)2015明治安田生命J2リーグ第31節
セレッソ大阪 4-1 栃木SC (19:04/金鳥スタ/11,093人)
試合写真・コメントなど
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 8月23日の第30節・大分戦を終えてから、天皇杯による中断期間を経て、約3週間ぶりに再開した明治安田生命J2リーグ戦。その第31節に臨んだセレッソ大阪は、栃木SCとのホームゲームで今季最多タイとなる得点を奪い、4-1と快勝。残り3カ月となり、佳境を迎えつつあるJ1昇格争いにて9月初陣を白星で飾っただけでなく、ようやく今季初のリーグ戦3連勝を達成。キンチョウスタジアムに集まった11,000人を超えるセレッソサポーターの期待に応える成果を残すことができた。

 栃木同様、8月29日の天皇杯1回戦でカテゴリーが下の相手に苦杯を喫したセレッソ。カップ戦でのタイトル獲得という夢が潰えたなか、今季の唯一無二の目標となり、かつ至上命題でもある『1年でのJ1復帰』へ向けて、約2週間の調整期間では「天皇杯の悔しさはあるが、そこから立て直すんだという気持ちを、しっかり選手たちは見せてくれている」とパウロ・アウトゥオリ監督も手応えを感じるようなトレーニングを実施。いい緊張感を保って迎えた『リスタート』となる一戦で、天皇杯の鬱憤を晴らすかのようなゴールラッシュを見せつける。

 その先陣を切ったのが、第29節・FC岐阜戦以来の先発となった玉田圭司だ。序盤からセレッソが相手を押し込み続け、18分パブロの絶妙なラストパスを受けると、栃木GK竹重安希彦をよく見て、ふわっとループシュート。経験に裏打ちされた技術をしっかり発揮し、勝利への扉を切り開く。

 その4分後には、酒本憲幸の右クロスにパブロがダイビングヘッドで合わせて、自身にとってのキンチョウスタジアム初得点を記録。42分には、山口蛍のロングフィードを受けた田代有三が、パブロとともに2試合連続得点となるゴールを決めて、前半だけで一気に3-0と栃木を突き放す。後半も、67分関口訓充の右クロスのこぼれ球を玉田が右足で押し込み、試合を決定づけた。ちなみに第23節・コンサドーレ札幌戦以来となる1試合2得点をマークした玉田は、これで今季10得点目。フォルランと並び、チームトップスコアラーになった。「2桁は一応目標にしていたところ。もちろん、それ(10点)で止まるつもりはないし、チームとして勝つことが大事なので、勝つためには自分の得点数をもっと増やしていきたい」(玉田)。

 スコアだけをみれば完勝とも言える試合になったが、「守備で簡単にやられるシーンもあったし、最後に失点もしているので、なかなかスッキリした勝利とは言えないところもある」と振り返るのは、日本代表戦後の強行日程でもタフに走り続けて、勝利に大きく貢献したキャプテンの山口。その守備だけでなく、攻撃面でも序盤や終盤に立て続けにあった決定機を活かせなかった点など、セレッソとしてはパーフェクトな勝利とは言えないところもある。「私にはまだまだもの足りないと思える試合。選手たちにはこの勝利だけに満足することなく、もっとしっかりとやるべきことを突き詰めていく姿勢を求めていきたい」と、アウトゥオリ監督も勝って兜の緒を締め直していた。

 それでも、次節・首位を快走する大宮アルディージャ戦を前に、弾みとなる結果になったことは間違いない。「次(9/20(日)@熊谷陸)にも大事な試合があるし、これから最後の連戦に入るので、ここでみんなの力で連勝していきたい。最後まで混戦になると思いますが、最後まで(個人的にも)チームに貢献できるようにやっていきたい」という田代をはじめ、桜色の戦士たちはJ1自動昇格圏内となる2位入りに向けて、再び確かな一歩を踏み出した。

文・前田敏勝

試合後のセレッソ選手コメント(1)
試合後のセレッソ選手コメント(2)
試合後のパウロ・アウトゥオリ監督(セレッソ)記者会見コメント