9月23日(水)2015明治安田生命J2リーグ第33節
セレッソ大阪 2-2 水戸ホーリーホック (17:04/ヤンマー/14,975人)
試合写真・コメントなど
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 残り10試合となった明治安田生命J2リーグ戦で、激しいJ1昇格争いの渦中にいるセレッソ大阪。前節では首位の大宮アルディージャとの直接対決を制し、勢いを持って迎えたこの第33節。水戸ホーリーホックとのホームゲームに臨んだが、結果は2-2の引き分け。一時は勝ち越しながら、試合終了直前に失点し、目前で勝点3が1になってしまうという、何とも悔しい試合となった。これで連勝も4でストップしたセレッソ。順位は3位のままだが、2位・ジュビロ磐田との勝点差は再び3に広がってしまった。

 玉田圭司、楠神順平ら攻撃陣をケガで欠いたなか、前節は出場のなかった田代有三が2試合ぶりに先発。そのほかは、大宮戦と同じスターティングメンバーを並べたセレッソ。第17節(6/8)・愛媛FC戦以来、約3カ月半ぶりとなるヤンマースタジアム長居での一戦に臨んだが、前半はピッチコンディションをうまくとらえきれず、水戸の素早いプレスの前に、ボールを失ったりパスミスしたりするなど、ペースをつかめない。その影響もあって、「前半の45分を無駄にしてしまい、スピード感のない遅いサッカーで時間を潰してしまった」(パウロ・アウトゥオリ監督)。

前半を0-0で折り返したなか、「後半の入りはすごくよかった」(田代)。
49分に関口訓充が放ったミドルシュートが水戸GK本間幸司を脅かし、53分にはコーナーキックを合わせた山口蛍のダイレクトボレーがゴールポストに当たるなど、後半早々からセレッソに本来のリズムが生まれつつあった。しかしながら、先手は水戸のほう。53分に交代出場したばかりの船谷圭祐に、59分、ミドルシュートを決められてしまった。

 それでも、セレッソはすぐに反撃。63分、右サイドバックに田中裕介を入れて立て直しを図ると、65分に同点に追い付く。その田中が右から左足でクロスを入れ、エジミウソンのポストプレーを経て、パブロがシュート。一度は相手DFに阻まれるも、そのこぼれ球を拾った田代が、落ち着いて左足でゴールを決め、試合を振り出しに戻した。
 その後、80分にはマグノ クルス、82分には吉野峻光と、個人技の高い選手を次々と送り込み、逆転を狙ったセレッソ。水戸に押し込まれるシーンもあったが、そこをしのぐと88分、スタジアムのボルテージが最高潮に達する。丸橋祐介の左クロスフィードから、パブロが抜け出そうとしたところは相手DFに身体で阻まれたが、そのこぼれ球を素早く拾ったのがエジミウソンだった。GKの飛び出しをかわしたナンバー10は、左足できれいにシュートを流し込み、2試合連続ゴールとなる逆転弾で、桜色のサポーターを熱狂させた。

 これで試合は決まったかに思われたが、指定されたアディショナルタイム4分も終わろうとしたとき、悪夢が待っていた。相手GKからのゴールキックで、パワープレー気味に空中戦が続くと、そのこぼれ球を水戸の鈴木雄斗に決められ、まさかの同点に。最後、セレッソも勝ち越し弾を奪いに行くも叶わず、すぐにタイムアップ。スタジアムは何とも言えない空気に包まれ、サポーターはもちろん、桜色の戦士たちのショックも大きかった。

 だが、残り9試合でJ1自動昇格圏内となる2位以内を勝ち取るためにも、ここで落ち込んではいられない。「磐田とは勝点差3なので1試合でひっくり返せるし、まだまだチャンスはあると思う。自分たちは1試合1試合をしっかり勝てるようにやっていかなければいけない」と関口も言うように、今節そしてここまでの教訓を活かすべく、チームは中3日で迎える次節・徳島ヴォルティス戦(9/27<日>@鳴門大塚)での巻き返しを誓っていた。

文・前田敏勝