11月1日(日)2015明治安田生命J2リーグ第39節
セレッソ大阪 1-1 ロアッソ熊本 (13:04/金鳥スタ/10,194人)
試合写真・コメントなど
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 終盤戦に入って、2位・ジュビロ磐田に勝点9差をつけられていた4位・セレッソ大阪。J1自動昇格圏内の2位入りに向けてはもう後がないなか、3戦ぶりの勝利を目指すべく、この明治安田生命J2リーグ戦第39節では、後半戦にて好調のロアッソ熊本を、ホームのキンチョウスタジアムに迎え撃った。

 この一戦では、前節から先発を5人変更。クラブ生え抜き、プロ入り3年目の小暮大器が、セレッソでの初先発を果たして右サイドバックに入ったほか、前線の顔ぶれもガラッと入れ替わり、玉田圭司が8試合ぶり、田代有三、関口訓充、マグノ クルスが3試合ぶりにスターティングメンバーに名を連ねた。そして、7月22日の第25節・ファジアーノ岡山戦で負傷後、戦列を離れていたGKキム ジンヒョンが、約3カ月半ぶりに登録メンバー入りし、今回はベンチに控えることになった。

 試合で先にチャンスを作ったのは、セレッソ。11分に関口の右クロスを田代が高い打点でヘディングシュート。また14分には、小暮のロングフィードに抜け出したマグノ クルスがGKをかわすシーンがあり、28分には関口の左クロスから山口蛍のスルーを経て玉田が左足でシュートを放つなど、攻勢をかけていくが、得点までには至らない。

 いい流れが続いていたところで、セレッソにアクシデント。マグノ クルスが足を傷め、33分、途中交代を余儀なくされてしまう。そこで代わってピッチに入ったパブロは、すぐにシュートを放って相手ゴールを脅かすなど、積極性を見せる。
 ただ、その直後の37分、セレッソは熊本の最初の決定機で、失点してしまう。熊本の右サイドバック、養父雄仁の右クロスから、ゴール前で受けたFW齊藤和樹にポストプレーを許すと、そこで奪い取れないまま、逆サイドから飛び込んできた上原拓郎に左足で鮮やかにシュートを決められた。

 先手を取られたショックからか、すぐにピンチを招くなど、リズムが狂い始めたセレッソ。さらに熊本の積極的なハイプレスにも押し込まれて、失点後は苦しい時間帯が続いたが、0-1のまま前半を終えると、ハーフタイムを挟んで、後半からは反撃を仕掛け始める。49分に右サイドを起点にパスをつないで攻め崩すと、最後は山口が左ミドルシュート。これは惜しくもゴールポストに阻まれたが、攻めにリズムが生まれ始め、53分、ようやく試合を振り出しに戻すことに成功する。右サイド、玉田の左足のコーナーキックから、相手DFの前、ニアサイドに入りこんだパブロが絶妙ヘディングシュート。これがきれいに熊本ゴールへ吸い込まれた。

 この後半早々の得点で、セレッソの勢いもさらに加速。途中、オープンな展開だったこともあり、熊本に攻められるシーンもあったが、GK丹野研太を中心にしのぐと、サポーターの後押しに乗って熊本ゴールへ向かい続ける。しかし、そこでセレッソの前に立ちはだかったのは、熊本の長身GKシュミット ダニエル。61分のパブロ、79分の山口、82分のパブロの直接フリーキック、そして終了間際の関口の決定的なシュートなど、再三の決定機を相手守護神に阻まれ、均衡を破れず。結局1-1のまま、試合終了。同日、2位・磐田が勝利して勝点差が11に開いたため、3試合を残してセレッソのJ1自動昇格圏内である2位以内の可能性が潰えてしまった。 

 それでも、「全員が最後までいいプレーをしていた」とパウロ・アウトゥオリ監督も述べるように、最近の試合のなかではアグレッシブな展開を作り出す機会も多かっただけに、この試合をきっかけに、決定力という最後の課題を克服し、J1昇格プレーオフ進出の確定をいち早く決めて、そこからのJ1昇格を果たしたい。
「僕たちは現実を見て、(J1昇格)プレーオフはもう頭に入っているので、そのためにチームの状態というものを上げていきたい」と玉田。攻めきることこそセレッソの真骨頂。そのチームスタイルを改めて実感できた試合になった。

文・前田敏勝