1月30日(土)シンハー ヤンマーカップ 
バンコクグラスFC 1-0 セレッソ大阪
18:30(日本時間20:30)KICK OFF/LEOスタジアム<タイ・バンコク>
試合写真・コメントなど
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 3年ぶりとなるタイでの1次キャンプに臨んでいるセレッソ大阪。その6日目(トレーニングとしては5日目)になる1月30日、今季の新体制では初めての実戦となる、『シンハー ヤンマーカップ』、バンコクグラスFCとのプレシーズンマッチを行った。結果としては、前半の1失点を跳ね返せず、0-1に終わり、初陣を飾ることはできず。「今日負けたことは、プレシーズンマッチとはいえ、本当に悔しい」(丸岡満)とイレブンはこの結果、内容に満足することはなかった。

 それでも、「(今季)最初のゲームということで、コンビネーションを含めて、まだまだ」(大熊清監督)な状況であり、キャンプで身体を追い込んで疲労もピークに達しようとしているなかでの、バンコクグラスFCとの激闘となったが、「個のところなども含めて、これからやっていけば、非常にチームの力になるのかなというところ、そういうところも見せてくれた」(大熊監督)のも確かなこと。J2開幕を約1カ月後に控えたなかで、収穫と課題が見えた試合になった。

「個人の特長について、新加入選手がたくさんいるので、その見極めを行った」(大熊監督)場にもなった、この一戦。前半では、ソウザ、ブルーノ メネゲウ、リカルド サントス、松田陸が、セレッソのユニフォームを着て初めて試合でプレーした。「フィジカル面とかに関しては、まだ完璧ではない」(ソウザ)という新ブラジルトリオだが、能力の片鱗を披露。いつゴールが生まれてもおかしくないという状況も作っていた。また、松田も敵陣ペナルティーエリアに侵入を試みるダイナミックな攻撃参加でアピールしていた。

 前半34分からは扇原貴宏とともに、柿谷曜一朗と杉本健勇が桜色の戦士としての復帰戦に登場。さらに、後半になると、清原翔平や丸岡という運動量に長けた攻撃陣や、木本恭生と澤上竜二の大卒ルーキーコンビもプレーした。後半早々に酒本憲幸のフリーキックに、柿谷がニアサイドへ飛び込んでヘッドをあわせるシーンも作ったが、前半のソウザと同じく相手GKの好守に阻まれ、得点には至らず。丸岡や杉本らのシュートもゴールにはつながらなかったが、こちらも前半の新加入組と同じく、限られた時間ながら、自らのプレースタイルを示していた。

 もちろん、昨シーズンから引き続き戦う選手たちも、この日、キャプテンマークを巻いた茂庭照幸を筆頭に元気な姿を見せ、玉田圭司と関口訓充の連係、山下達也の果敢に前へ勢いづける守備なども健在。選手たちのレギュラー争いは、各ポジションで今後ますます加熱していくことになるだろう。

「これからもう少し身体のキレを出して、宮崎(2次キャンプ)に入っての1試合1試合を、チームとして戦えるように成熟させていかなきゃいけない」と関口も気を引き締めれば、「ここからチームとして目指す方向性を一つにまとめながら、自分たちの目標であるところに向かってやっていきたい」と柿谷もチームとしての一体感の重要性を強調。2月3日までのタイ1次キャンプや、8日からの宮崎2次キャンプなどを通じて、開幕に向けて、いよいよここからは、個々のコンディション向上だけでなく、組織や連係面の確立にも取り組むセレッソ。この初実戦も糧にしながら、チーム一丸となって、J1復帰に向かって、新たな歩みを進めていく。

文・前田敏勝