6月19日(日)2016明治安田生命J2リーグ第19節
セレッソ大阪 3-2 徳島ヴォルティス (19:04/金鳥スタ/8,464人)
試合写真・コメントなど
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 明治安田生命J2リーグ戦にて、第17・18節とアウェイゲームを2連勝してホームに戻ってきたセレッソ大阪。第19節では、キンチョウスタジアムで徳島ヴォルティスと対戦した。今節も柿谷曜一朗をケガで欠くなか、スターティングメンバーは前節のFC岐阜戦と同じ顔ぶれ。引き続きGKキム ジンヒョンがキャプテンマークを巻いた。 

 この試合で序盤から目立ったのが、今季始動時から進めてきた、チームとして前線からの攻守の切り替えを重んじるプレー。徳島のカウンターを受けそうになるときにも、FWリカルド サントスが献身的なプレスバックでボールを奪い返すなど、主導権をしっかり握り、相手が守備を固めていたとはいえ、敵陣へ押し込んで攻勢を強めていく。 
 すると25分、丸橋祐介の左クロスから、ゴール前でブルーノ メネゲウが競り合い、そのこぼれ球を最後は杉本健勇が左足でゴールに流し込んで先制点を記録。「相手も引いて難しくなる試合だとは思うが、自分が点を取って勝てるように、そういうゲームにしたい」と戦前に話していた9番が、自身にとって14試合ぶりとなるゴールでチームに流れを呼び込んだ。

その後も、山村和也やソウザといったボランチ陣のボールカットから好機を作り出す場面が増えていたセレッソ。徳島のカルリーニョスを中心とする攻撃に肝を冷やす場面も散見されたが、そこをしのぐと、後半も開始早々、相手の反撃を逆手に取り、速攻から追加点のチャンスを得る。清原翔平の右からのアーリークロスにブルーノ メネゲウが合わせにいったところで相手DFのファウルを受け、PKを獲得。これを、蹴り直しがありながらもブルーノ メネゲウが落ち着いて決めて、リードを2点に広げた。

 しかしながら、60分すぎあたりからサイドを崩されて徐々に反撃を受け始めると、69分、ピッチに入ったばかりの徳島FW渡大生にゴールを決められ、1点差とされてしまう。すかさずセレッソは70分に玉田圭司を投入。立て直しを図ると、73分、リカルド サントスの粘り強いキープで得たファウルから、ソウザが直接フリーキックを鮮やかに決め、再びリードを広げた。このまま押し切りたいところだったが、その4分後にはセットプレーから徳島にゴールを献上。再びホームで複数失点を喫してしまい、苦しい展開を続けてしまう。 

 セレッソは77分に藤本康太、79分に澤上竜二を送り込み、相手のパワープレーに対応しながら、カウンターでさらなる追加点を奪いにいく。終盤、澤上にゴール前でヘディングシュートの絶好機が訪れたが、徳島GK長谷川徹のビッグセーブに阻まれ、プロ初得点はならず。一方で試合終了間際まで攻勢を強める徳島の前に押し込まれていたが、それでも今節もキム ジンヒョンを中心に最後まで体を張って抑え切った桜色の戦士たち。3-2のまま締めくくり、ホームで今季4勝目、今季2度目の3連勝、今季初の3得点も達成し、同日勝利した首位の北海道コンサドーレ札幌をしっかり追走することができた。
「失点は多いし、もっともっと減らしていかないといけない。この夏は後半が大事になると思うので、そこでいかに走り切れるかというところ。練習からまた意識してやっていくしかない」と山下達也も反省点を述べるように、90分通した戦いというところでは、確かに課題も残るセレッソ。ただ、「勝点3を取れたことは、シンプルにいいこと。ホームで久々に勝ったことで、サポーターの方も喜んでいると思うので、次の試合も勝って、札幌に突き放されないように頑張りたい」と松田陸も述べるように、今は結果を出して、勝点を積み重ねていくとき。なによりもホームは必勝の場。それは当然、26日(日)の次節・東京ヴェルディとのホームゲームにも言えることであり、チームの目線はすでに次を見据えていた。

文・前田敏勝