7月20日(水)2016明治安田生命J2リーグ第24節
セレッソ大阪 1-3 FC町田ゼルビア (19:04/金鳥スタ/9,323人)
試合写真・コメントなど
----------

 前節、ザスパクサツ群馬とのアウェイ戦で勝利してから中3日。明治安田生命J2リーグ第24節では、今季初めてとなるホームでのミッドウィークのナイトゲームを迎えたセレッソ大阪。開幕戦の相手でもあったFC町田ゼルビアと、キンチョウスタジアムにて対戦した。セレッソのスターティングメンバーは、前節と変更なし。2試合連続先発となった丸岡満は、ホーム・J2デビュー戦となった。

 梅雨明けも発表され、真夏の暑さが続く大阪。キックオフ時の気温30.3℃、湿度53%という環境もあり、序盤から消耗戦の様相が想定されたなか、早々にセレッソが先手を取ることに成功。均衡を破ったのは、杉本健勇。7分、左サイドで丸橋祐介からの縦パスを受けると、推進力あるドリブルで中央へ切れ込みながら、右サイドへ展開。そして、そのパスを受けた清原翔平の左足でのクロスボールに、自らゴール前に飛び込んできた桜の9番がヘッドで合わせて、最近6試合で4得点目となるゴールを記録。これでセレッソは主導権を得たかに思われた。

 しかし、「前半立ち上がりから、みんなは集中してやっていたと思いますが、僕が後ろから見ていて、いつもの試合よりもちょっと足が止まっているところもあったのかなと感じていた」と言うのは、守護神のキム ジンヒョン。得点前からあった町田の攻勢のなかで、全体のリズムがなかなか上がらず、耐える時間も目に付いた。それでも、相手の町田側から見ても「前半も我々は攻めていたが、大きなチャンスというのは失点する前のワンチャンスと、そのあとにもう1度、中島(裕希)に来たチャンスくらいだった」(相馬直樹監督)という流れになり、しっかりと前半を無失点で折り返す。

 ただし後半になると、開始から2分後の47分、町田のトップスコアラーでもあるFW鈴木孝司の放ったミドルシュートがセレッソDFに当たって、GKキム ジンヒョンの手の届かないような絶妙のループシュートとなって失点。いきなり試合を振り出しに戻された。68分にも、フリーで左クロスを許したところから、またも鈴木(孝)に2点目のゴールとなるヘディングでの逆転弾を献上。前半の状況から一変してしまう。

 セレッソとしては、「2点目の重要性というか、そういうところはシーズンが始まってからの課題」と清原も言うように、先制したなかでも、その後のチャンスを決めきれないことが自らを苦しめることにもつながっていった。前半38分に丸岡がソウザ、杉本との連係からゴール前に抜け出してGKと1対1の場面を作ったり、後半に1-1となってからもソウザに2度、3度と決定機がやってくるなど、好機を作っていたのだが、決め切るまでには至らない。

 1-2とされてから72分に玉田圭司を投入し、その玉田や、この日は出色の出来だった杉本を軸に反撃にかかっていくが、杉本のシュートは再三の好守が光るGK髙原寿康に阻まれ、そのこぼれ球も押し込めないなど、次の1点が遠い。75分に関口訓充を送り込んでいただけでなく、83分にはDFの田中裕介に替えて前線に澤上竜二を加えて、スクランブル態勢でゴールを狙いに行ったが、その直後の84分に痛い3失点目を献上。終盤は山下達也も前線に上げてパワープレーで打開を図ったが、それも実らず。結局1-3で敗れたセレッソは、8試合ぶりの黒星。同日、松本山雅FCとの上位決戦を制していた首位の北海道コンサドーレ札幌(1試合未消化)に勝点3差をつけられてしまった。

「自分たちのほうがミスがあったので、それが結果につながってしまった」(リカルド サントス)、「いつもの試合より力を出せていないというのも、気持ち的にも見えてしまったので、もっとみんなで責任感を持ってやっていかなければいけない」(キム ジンヒョン)とイレブンも悔やむように、いわゆる『自滅』の形でホームで星を落としてしまったことは痛恨の極みだ。それでも、ここで下を向くわけにはいかない。
「集中力だったり気を抜かないということを、もう1回チームとして見つめ直していかないといけない。すぐに試合があるので、絶対に勝つという強い気持ちを持ってやりたい。次のゲームが非常に重要になってくると思う。ここでまたチーム力を見せたい」と杉本も言うように、この1敗をしっかりと糧に、次節ですぐに巻き返したいところ。大事な夏場の戦いに、失速はもう許されない。

文・前田敏勝