10月2日(日)2016明治安田生命J2リーグ第34節
セレッソ大阪 1-2 清水エスパルス (14:04/ヤンマー/23,781人)
試合写真・コメントなど
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 2016明治安田生命J2リーグ戦第34節にやってきた、J1昇格を争う大一番。3位のセレッソ大阪は、今季のホーム主催試合では最後となるヤンマースタジアム長居にて、5位の清水エスパルスと対戦した。10月ながら、この日は秋に入ったとは思えないほどの猛暑。気温30.7℃、湿度67%、立っているだけで汗をかくような気候のなか、14:04にキックオフを迎えた。

 この一戦では、前節出場停止だった山下達也が復帰。また、関口訓充が第29節・松本山雅FC戦以来となる先発を果たし、最前線には杉本健勇が入る形となったセレッソ。ただし、立ち上がり早々、アクシデントに見舞われてしまう。清水のクロスボールに対応したGKキム ジンヒョンが、相手FWと接触して頭部と足を強打。その後なんとか立ち上がり、気丈にプレーを続行して前半の無失点に貢献するも、ハーフタイムに無念の負傷交代を余儀なくされる。
 そういったイレギュラーな状況から始まったこの試合では、前半、セレッソはミスパスも目立つなどなかなかエンジンがかからず。一方で2度決定的なシーンを作られたが、相手のシュートミスもあって難を逃れる。27分には、暑さも考慮されてJ2の試合では異例の飲水タイムも実施されたなか、前半の終わり頃からようやくリズムが出てきたセレッソは、丸橋祐介のクロスからチャンスが生まれ、杉本が頭でつなぎ、松田陸が押し込むも、これはオフサイドでノーゴール。それでも、流れを引き寄せたなかで前半を終えた。

 後半からは、キム ジンヒョンに替わって、前日のセレッソU-23戦にも出場した丹野研太が入ったなか、「ジンヒョンのためにも頑張ろう、と一丸になって戦った」(清原翔平)セレッソは、ハーフタイム直前の勢いを維持。61分には酒本憲幸を投入し攻撃をさらに活性化すると、10分後、その抜擢が功を奏する。カウンターから、清原と杉本のシュートは相手DFにブロックされるも、そのこぼれ球を拾ってつなぎ、松田から右クロス。これにゴール前で飛び込んだのが、酒本。豪快なヘディングシュートで相手ゴールネットを揺らし、先制点獲得。23,000人以上入った観客の大歓声、ゴール後恒例のコール&レスポンスが、桜の聖地に響き渡った。

 1点リードで試合を支配していきたいセレッソだったが、再びアクシデント発生。松田が両足をつりプレーできなくなったため、78分に茂庭照幸を送り込み、最後の交代カードを使用。そこで踏ん張りたかったセレッソだが、「ゴールが決まったあと、チームが全体的に下がってしまった。それで、相手が勢いづいて、ビルドアップからどんどん(攻めに)来るような感じになってしまった」(ソウザ)。加えて、前半からのハードワークの影響もあり、全体的に足が止まってしまう。交代要員をすべて使っていたなか、我慢の時間帯が続いたが、終盤に立て続けに攻撃的な選手を投入する清水の対応に苦慮。
 すると、89分、90+4分と、中央を崩されて失点。結局、1-2と逆転負けしたセレッソ。同日勝利した2位・松本との勝点差も4に広がってしまった。

 様々な出来事があったとはいえ、セレッソにとっては落としてはいけない上位対決だっただけに、この敗北は痛恨の極み。リーグ戦の連勝も4で止まった。それでも、残り8試合でJ1自動昇格圏奪還の可能性は十二分に残されているのも、また事実。「これからが大事。チームがバラバラにならないよう、チーム一丸となって戦っていきたい」と丹野。もう昨年のような失速だけは許されない。次節のホームゲームから再び『強い』セレッソを見せるべく、ここから必ず立て直す。目指す場所、J1に戻るために。この苦況からチーム一体となって這い上がらなければいけない。

文・前田敏勝