3月15日(水)JリーグYBCルヴァンカップ第1節
セレッソ大阪 2-0 横浜F・マリノス (19:03/金鳥スタ/7,601人)
試合写真・コメントなど
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 J1に復帰できたからこそ参戦できる舞台、JリーグYBCルヴァンカップ。その舞台に臨んだセレッソ大阪は、開幕戦の第1節、ホーム・キンチョウスタジアムにて、横浜F・マリノスと対戦した。
「今まであまり出場機会のなかった選手たちにとって、動機付け(モチベーション)になる試合」と戦前に尹晶煥監督も述べていたように、この一戦では、4日前に行われたJ1リーグ戦第3節の北海道コンサドーレ札幌戦 から、スターティングメンバーを総入れ替えしたセレッソ。今季トップ昇格した18歳のDF舩木翔、2年目で19歳のDF庄司朋乃也にとってはトップチームでのデビュー戦となり、新加入GK圍謙太朗もセレッソでの初出場となるなど、フレッシュな陣容でこの試合を迎えた。

 試合では、序盤から、こちらもメンバーをJ1第3節から総入れ替えしていた横浜FMに、元セレッソの扇原貴宏を中心にボールを回される展開となった。それでも、この日キャプテンマークを巻いた秋山大地や丸岡満、木本恭生をはじめ、全体でハードワークし、球際を激しく、守備を固めながら対抗していくと、13分に舩木の縦パスをきっかけにサイド攻撃から決定機を作るなど、攻勢を仕掛けていく。
 31分、舩木の蹴ったコーナーキックから、ファーサイドの茂庭照幸がヘッドで折り返し、最後はゴール前に詰めていた木本が頭でプッシュし、ゴール。J1カテゴリーの舞台を初めて経験するボランチの今季初得点で、先制に成功することができた。

 1−0で折り返した後半も、開始早々に前からのプレッシングで相手からボールを奪って速攻を仕掛けるなど、勢いのよさを見せたセレッソ。ただし、前半同様、後半も横浜FMにゴールを脅かされるなど、ひやりとさせられるシーンもあったが、圍、茂庭らが最後まで身体を張ってプレッシャーをかけたこともあり、相手がシュートミス。ピンチを逃れる。逆に、横浜FMのミスを見逃さなかった清原翔平がボールを奪って速攻を仕掛け、シュートは惜しくも相手に阻まれたが、そこで得た56分のコーナーキックから、待望の追加点を獲得。再び舩木が蹴ったボールから、ゴール前での混戦で木本が競り合い、そこからこぼれてきたボールがフリーのリカルド サントスに。ブラジル人ストライカーはそれを落ち着いて右足で流し込んだ。

 2点のリードを得たセレッソは63分に新加入のMF福満隆貴を投入し、攻撃をさらに活性化すると、78分には山村和也、83分にはマテイ ヨニッチをピッチに送り込み、守備を固めながら、追加点を狙う体制に。そのなかで、最後まで集中を切らさなかった桜色の戦士たちは、2−0の完封勝利を達成。尹晶煥監督体制での公式戦初勝利をホームに集ったサポーターとともに喜び合うことができた。そして、Bグループを首位で発進することもできた。

「最近あまり試合に出ていない選手たちが試合に出ることになりましたが、すごく意欲的で、この1試合でいろいろなことを見せてくれたと思います。今日まで勝ちがなかったのですが、今日勝つことによって、次にもっといい雰囲気でつなげられる」とイレブンの奮闘を讃えたのは、尹晶煥監督。庄司、舩木の若手陣も堂々のプレーを見せるなど、「みんな最後までハードワークして戦えていた」(秋山)ことで、勝利をつかみ取っただけでなく、チームの総合力を高められたことも、今後にとって明るい材料だ。「『チーム一丸となって、これから戦っていくんだ』という意思表明になった試合だったと思うし、これからまた頑張って、みんなでレギュラー争いをしながら、チームがよりいい方向に向かっていけるように頑張っていきたい」と山村和也も言うように、チーム一体となって高みに向けて進んでいくセレッソ。今回得た勢いを、3日後にすぐにやってくるJ1リーグ戦にもつなげていきたいものだ。

文・前田敏勝