8月8日(水)スルガ銀行チャンピオンシップ
セレッソ大阪 0-1 インデペンディエンテ (19:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど
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 今大会で11回目を数える「スルガ銀行チャンピオンシップ」。昨季のJリーグYBCルヴァンカップ王者として、Jリーグを代表してセレッソ大阪が初めて出場した。一方、地球の裏側から大阪に乗り込んできたのは、昨季のCONMEBOLスダメリカーナ王者であるアルゼンチンの強豪・インデペンディエンテ。時差や暑さ対策も含め、7月30日に来日し、試合に向けて準備万端で挑んできた。

 試合前からインデペンディエンテサポーターの歌声がスタジアムの外で響くなど、普段のリーグ戦とは趣が異なる一戦。セレッソは、連戦が続くリーグ戦に挟まれた過密日程を考慮し、直近のJ1第20節・サガン鳥栖戦から先発11人を総入れ替えしてこの試合に臨んだ。秋山大地がキャプテンマークを巻き、丹野研太や田中裕介ら昨季のルヴァンカップ優勝に貢献した面々がピッチに並んだ。また、システムもいつもの4-4-2ではなく、守備時には5-4-1になる3-4-2-1を採用。3バックの中央には、この試合がトップチームでのデビュー戦となる森下怜哉が入った。

 試合は、開始からインデペンディエンテにボールを支配される苦しい展開。“守備から入る”事前のゲームプランに沿った展開とは言え、小気味よいパスワークとドリブルを織り交ぜた攻撃をしてくる相手に対し、セレッソは全体的に後ろに重く、前からのプレスがかからず、相手に自由にやらせてしまった感は否めない。それでも、決定機を多く与えたかと言えば、そうではない。右サイドからのアーリークロスに逆サイドから選手が入っていった22分のピンチにも、中央に絞った酒本憲幸が体を張って防いだ。

 それでも、28分、一瞬の隙を突かれて先制点を与えてしまった。左サイドをパス交換で崩されると、ゴール中央でマルティン・ベニテスのパスがオスマルの足に当たって前方のシルビオ・ロメロの足元へこぼれる。GK丹野が懸命に飛び出すも、シルビオ・ロメロにかわされ、ゴールネットを揺らされた。ここからセレッソも全体を押し上げ、セカンドボールを拾い始めると、31分には高木俊幸がこの試合セレッソにとってファーストシュートを放つも、クロスバーを越えた。

 前半はこのシュート1本に抑えられたセレッソだが、後半は開始から投入された田中亜土夢と斧澤隼輝がチームを活性化。49分には、斧澤が思い切りよく縦に仕掛ける。すると、58分、セレッソにこの試合、初めての決定機が訪れた。田中亜土夢がニアに蹴ったCKを藤本康太がうまく足で合わせ、ゴールを襲ったが、相手GKの好守に防がれた。続く59分にソウザと安藤瑞季が交代で入ると、60分、早速ソウザがCKを蹴り、ここでも再び藤本が惜しいヘディングシュートを放った。

 このあたりから運動量が落ちたインデペンディエンテに対し、セレッソが押し込み始める。75分には、中央でソウザの縦パスを受けた田中亜土夢が前線へスルーパス。抜け出した安藤が鋭いシュートを放ったが、惜しくもDFに防がれた。88分にはソウザが直接FKでスタジアムを沸かせると、90分にもセレッソにチャンス。ソウザの投入とともに3バックの左にポジションを下げたオスマルが最前線まで駆け上がってクロスを上げると、DFのクリアを拾った斧澤がダイレクトで押し込んだが、シュートはクロスバーを越えた。

 後半アディショナルタイム、最後は片山瑛一が得意のロングスローでゴールに迫ったが、ここも相手ディフェンスにクリアされ、タイムアップ。インデペンディエンテに圧倒された前半から、後半は選手交代も含めて戦い方を修正したセレッソは、後半はインデペンディエンテのシュートを3本に抑え、こちらはその倍の6本を放ったが、最後まで要所を締める相手の守備を崩すことはできなかった。

 惜しくも初の国際タイトル獲得とはならなかったセレッソだが、この日、ピッチに立った選手たちの健闘は光り、南米王者に果敢に挑んだ森下、斧澤、安藤らU-23の若手選手にとっては、今後につながる糧も得た試合となった。

文・小田尚史