3月17日(日)2019明治安田生命J1リーグ 第4節
セレッソ大阪 1-2 浦和レッズ (15:03/ヤンマー/21,022人)
試合写真・コメントなど
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 開幕戦以来となる勝利を目指して臨んだ今節の浦和レッズ戦。「積み重ねてきたコンセプトを体現したい」(都倉賢)と試合に挑んだセレッソ大阪は、試合開始から果敢に前に出る。「勝つためには最初からアグレッシブにプレーしないといけないとみんなで話し合って、今日は最初からアグレッシブに行こうと決めていた」と試合後にマテイ ヨニッチも明かしたように、勝利、そして得点への意欲がみなぎる立ち上がりとなった。

 7分、松田陸のクロスから都倉がファーストシュートを放てば、以降も右サイドの松田と片山瑛一が積極的に攻撃に絡み、柿谷曜一朗も含めたトライアングルが機能。28分には清武弘嗣のパスから裏を取った松田がゴールに迫り、直後のCKから丸橋祐介、都倉とつながり、都倉にチャンスが訪れたがシュートは枠を外れた。浦和の堅守こそ崩せなかった前半だが、しっかりとボールを保持して攻め込んだセレッソは、守備でも浦和に決定機を与えず、優勢のまま前半を折り返した。 

 後半もアグレッシブな試合の入りを見せたのはセレッソ。52分、この試合、抜群の収まりで攻撃を引っ張った都倉のポストプレーから清武がダイレクトで裏へパス。これを受けた丸橋がクロスを上げると、ファーサイドで柿谷がビッグチャンスを迎えたが、ヘディングはDFに防がれた。56分にも丸橋の鋭いクロスから好機を迎え、64分にセレッソに待望の瞬間が訪れた。清武のパスを受けた都倉が相手DFの前に体を入れ、ターンして抜け出したところを倒されてFKを得る。これをソウザが直接決めて、セレッソが先制に成功した。
 その後も攻め手を緩めないセレッソは、69分にも決定機。丸橋、ソウザ、清武と流れるようにパスがつながり、浦和のペナルティーエリアの角のスペースに走り込んだ清武が深い位置からクロス。都倉がニアで合わせたが、ヘディングシュートは惜しくも枠を外れた。 

 両ウィングバックが高い位置を取り、後ろから積極的に追い越していく分厚い攻撃を発揮した今節は、守備にかかる重さもなく、「自分たちがゲームをコントロールできていた」(ソウザ)理想的な試合運びを見せたセレッソ。だが、残り15分。思わぬ展開が待ち受けていた。

 76分、浦和のオズワルド オリヴェイラ監督が山中亮輔とマルティノスを2枚同時に投入して勝負に出ると、直後のFKのキッカーは、入ったばかりの山中。ライナー性のボールを興梠慎三に合わせられ、同点に追いつかれる。82分には、直前にレアンドロ デサバトの負傷交代で生まれた隙を突かれ、マルティノスの突破にたまらず片山がファウル。PKを献上してしまう。これを昨季までのチームメイト・杉本健勇に決められ、浦和に逆転を許してしまった。

 85分、ロティーナ監督は、ブルーノ メンデスと高木俊幸をピッチに投入し、布陣も[4-4-2]に変更。反撃に出る。90+5分、ソウザのクロスを都倉と相手GKが競ってこぼれたボールにブルーノ メンデスが反応。シュートを放つも、ポストを直撃。劇的な同点弾とはならなかった。

 攻撃のコンビネーション構築が進み、途中までは会心の内容を演じながら、終盤にまさかの2失点でリーグ3連敗を喫したロティーナ監督は、「勝つべき試合だった」と悔しさをにじませた。それでも、「自分たちは良くなっていることを示せたので、続けていくことが大事」とソウザは前を向き、次節での連敗阻止を誓った。

文・小田尚史