5月4日(土・祝)2019明治安田生命J1リーグ 第10節
松本山雅FC 0-2 セレッソ大阪 (14:03/サンアル/18,397人)
試合写真・コメントなど
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 「令和」に変わって最初の公式戦。アウェイに乗り込んでの松本山雅FC戦に臨んだセレッソ大阪は、直近のJ1第9節・大分トリニータ戦から先発を大幅に変更。都倉賢とブルーノ メンデスの2トップに、ダブルボランチには、ルヴァンカップで好プレーを見せていた奥埜博亮と藤田直之を起用。CBの一角には、この試合がJ1リーグ戦デビューとなる瀬古歩夢を抜擢し、システムも4-4-2で臨んだ。チケットは完売。セレッソサポーターも大勢スタジアムに詰めかけ、スタジアムの一角を桜色に染めて選手を後押し。素晴らしい雰囲気に包まれた中、試合開始のホイッスルが鳴った。

 試合は立ち上がりからセレッソのペースで進む。2分、清武弘嗣がこの試合、最初のシュートを放つと、9分にも、瀬古のフィードから都倉の落としを受けた清武がドリブルシュート。17分には藤田が高い位置でカットし、ブルーノ メンデスがシュート。惜しくもクロスバーを越えたが、得点の匂いを感じさせると、迎えた21分。セレッソが先制に成功した。マテイ ヨニッチのフィードから始まり、水沼宏太、松田陸、都倉で右サイドを崩し、水沼の縦の浮き球のパスをブルーノ メンデスが頭でサイドの深い位置へ送る。飛び出した奥埜がタッチラインギリギリで腰を捻って折り返すと、このクロスにニアで合わせたのがブルーノ メンデス。GKも見送るしかない鮮やかな軌道を描いたヘディングシュートがネットに吸い込まれた。

 先制後、流れはさらにセレッソへ傾く。追加点こそ奪えなかったが、終始、松本陣地で試合を進める理想的な展開で前半を折り返した。

 後半は、反町康治監督のゲキを受けてピッチに入った松本のプレス位置も高くなり、セレッソは押し込まれる時間帯が続く。警戒していたセットプレーも何度も与えてしまったが、GKキム ジンヒョンを中心に崩れることなく跳ね返すと、60分ごろから反撃開始。

 59分、左サイドを突破した清武がカットインしてシュートを放つと、67分にも、清武が華麗なテクニックで相手をかわして右サイドの水沼へ展開。水沼の外を走り込んだ奥埜のクロスにブルーノ メンデスがヘディングで合わせた。69分には決定機。ブルーノ メンデスのクロスを都倉が落とし、ディフェンスの裏を取った水沼がシュートを放ったが、わずかに枠を逸れた。

 勝利を確実にするために欲しかった2点目が生まれたのは83分。松田の斜めへのパスを都倉がスルー。受けた水沼がDFと競り合い、こぼれたところをブルーノ メンデスが左足で強烈なシュート。GKが弾いたところを奥埜が詰めて、ネットを揺らした。勝利を決定付ける1点に対し、セレッソベンチ、サポーターも大いに沸いた。

「ディフェンスの強固さは維持したまま、得点を取るためのプレーを改善することが必要」と試合前に話していたロティーナ監督だが、守備では松本に決定機らしい決定機を作らせず、攻撃では都倉とブルーノ メンデスのツインタワーが機能。「深さ」を取りながら松本ディフェンスを押し下げ、空いたスペースでは清武や奥埜、藤田がゲームをコントロール。瀬古も無失点に貢献するなど攻守に収穫の多い一戦となった。

「多くのメンバーが替わった中で勝つことができたことは力になる」とはキャプテンの清武。ルヴァンカップで活躍した選手たちがリーグ戦でも結果を残したことは、よりチーム内の競争の活性化にもつながるだろう。反転攻勢をかけたい5月。その初戦で勝点3を獲得したセレッソが、11位に浮上した。

文・小田尚史