8月3日(土)2019プレナスなでしこリーグカップ2部 決勝
ちふれASエルフェン埼玉 1-2 セレッソ大阪堺レディース (15:30KICK OFF/味フィ西)
試合写真・コメントなど
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 公式記録に記された気温は35.7℃。前後半ともにクーリングブレイクが実施される猛暑のなかで行われたなでしこリーグカップ2部決勝。セレッソ大阪堺レディースはAグループ首位のちふれASエルフェン埼玉と対戦した。リーグでは3位とセレッソより上位につける相手に岡本三代監督は試合前、「相手は非常に戦術的に戦ってくるチーム。どう対応するかがポイントになる」と話していた。

 予想通り、前半はちふれがボールを持ち主導権を握る展開。10分には相手シュートがポストをたたき、16分にはミドルシュートがゴールをかすめた。38分にはFKのクリアボールをシュートされる決定的なピンチも。一方セレッソのオフェンスはやや連動に欠け、決定機を作るにはいたらない。耐え続けてハーフタイムを迎えた。

 後半に入った56分、左サイドからのFKをファーサイドで合わされてついに失点を喫してしまう。そこで岡本監督が動いた。右サイドバックの宮本光梨に代えて15歳のFW浜野まいかを前線へ。野島咲良を右サイドMFへ、古澤留衣を右サイドバックにスライドさせて反撃体制をとった。少しずつリズムが出始め、65分には宝田沙織が惜しいヘディングシュートを放つ。直後にクーリングブレイクが入った。

 流れが好転したなかでのインターバルだったが、選手たちの集中が途切れることはなかった。むしろ逆で、「ブレイクのなかで、ベンチの選手も『最後まで走り切ったらいける』と声をかけてくれ、もう一度気合が入った」と、キャプテンの林穂之香が振り返る。その言葉通り、パワーをチャージしてピッチに戻った選手たちが躍動した。

 76分、北村菜々美のシュートがポストに当たり、こぼれたところに林が詰めてゴールにねじ込み同点に。その後も積極的に攻めつつ、ピンチをしのいで迎えた終盤。宝田沙織からのパスを受けた脇阪麗奈がシュート、相手のクリアをミドルレンジから林が叩き込んだ。「しっかりミートさせて枠内に飛ばそうと思って打った」という素晴らしいシュートで、セレッソが逆転に成功した。その後のアディショナルタイムは8分という長さだったが、ボールを動かし時間をうまく使って逃げ切った。

 2017年以来、2年ぶり2度目の優勝! 試合後ははしゃぎ、涙し、踊って喜びを表現していた選手だが、もちろんこれがゴールではない。「2年前もここで優勝して1部昇格まで行けた。この勢いをうまく利用して、1部で通用するようにもっとレベルアップもしたい」という林の言葉通り、真の戦いはこの後にある。頼もしきキャプテンを先頭に、桜なでしこたちは、今月末のリーグ再開に向かう。

文・横井素子