8月14日(水)第99回天皇杯 3回戦
セレッソ大阪 3-0 レノファ山口FC (19:00/みらスタ/4,475人)
試合写真・コメントなど
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 2019明治安田生命J1リーグ・鳥栖戦から中2日。セレッソ大阪が、天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会3回戦・レノファ山口FC戦に臨んだ。
 台風10号の接近による影響も心配されたこの一戦。試合開始1時間前に激しい雨は降ったが、その後、雨は止み、日差しも。風雨による影響はなかった。ただし、蒸し暑さが尋常ではなく、「汗が止まらない」(田中亜土夢)過酷な環境下でのキックオフとなった。 

 先発は、鳥栖戦 から8人を入れ替えたセレッソ。GKは圍謙太朗、ディフェンスラインは左から舩木翔、瀬古歩夢、マテイ ヨニッチ、片山瑛一。ダブルボランチには、ソウザとレアンドロ デサバト。右サイドハーフに奥埜博亮、左サイドハーフに田中が並び、柿谷曜一朗と澤上竜二が2トップを組む[4-4-2]で臨んだ。

 立ち上がり、山口に立て続けにCKを与えたが、マテイ ヨニッチと瀬古がしっかり跳ね返してしのぐと、11分に中盤でソウザがパスカットし、そのまま持ち込んでシュート。わずかにクロスバーを越えたが、このあたりからセレッソが試合を支配。山口を押し込むと、18分に決定機。奥埜のパスから片山が右サイドの裏を取ってGKと1対1に持ち込んだが、シュートはGKに防がれた。なおもセレッソが攻め立てると、28分、先制に成功。山口のGKが中盤へ付けたパスに対し、澤上とレアンドロ デサバトが猛然とプレス。こぼれ球を奥埜が拾い、澤上につなぐと、ペナルティーエリアの外で受けた澤上は迷うことなく左足を一閃。強烈なミドルシュートがGKを吹き飛ばし、ゴールネットに突き刺さった。

 ミスが失点に直結して意気消沈する山口に対し、セレッソが畳みかける。31分、今度は右サイドを起点にパスをつないで相手を崩すと、最後は中央でソウザが得意のフェイントからミドルシュート。再び山口のゴールネットに突き刺ささり、セレッソがリードを広げた。守っては、山口に許したシュートは1本のみ。盤石の試合運びで前半を終えた。

 後半、メンバーを入れ替えて攻勢に出てきた山口に対し、セレッソは守勢に回る。すると49分、右サイドを崩され、この試合最初のピンチを迎えたが、ここはDFが体を張ってシュートブロック。事なきを得た。山口の攻撃をしのいだセレッソは、60分に待望の追加点。舩木を起点に田中のパスから左サイドの裏を取ったソウザが中へ折り返すと、DFのクリアが不完全になったところを拾った田中が左足でシュート。これが澤上の足に当たってコースが変わり、ネットに吸い込まれた。最後こそラッキーな形となったが、完璧に左サイドを崩して決めた、見事なゴールだった。

 この試合を決定付ける1点により、ロティーナ監督は次第に週末のリーグ戦もにらんだ選手交代へとシフト。64分に奥埜、68分にマテイ ヨニッチを下げ、それぞれ水沼宏太と木本恭生を投入。68分には、この試合2得点と大活躍の澤上に代えて西本雅崇を投入。西本がボランチに入り、ソウザが前に上がり、柿谷との2トップを形成した。

 後半の中盤から終盤にかけては山口に押し込まれる時間帯が続き、両サイドから波状攻撃を受けたセレッソだが、田中パウロ淳一の仕掛けは片山がきっちり対応。サイドからのクロスも中でしっかり跳ね返し、山口に決定機らしい決定機を与えない。後半はボールこそ握られたが、許したシュートは3本。しっかりと試合を締め、3-0の快勝を収めた。山口に2月のプレシーズンマッチで喫した敗戦の借りを返すとともに、天皇杯ラウンド16進出を果たした。

文・小田尚史