8月17日(土)2019明治安田生命J1リーグ 第23節
横浜F・マリノス 1-2 セレッソ大阪 (19:03/日産ス/28,304人)
試合写真・コメントなど
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 敵地で勝利した天皇杯3回戦・レノファ山口FC戦から中2日。夜間のバス移動も経て、2019明治安田生命J1リーグ第23節・横浜F・マリノス戦に臨むべく、再びアウェイの地に向かったセレッソ大阪。試合当日の最高気温は35℃を超え、立っているだけでも汗が噴き出て体力が消耗される、過酷な環境下での戦いとなった。

 激闘の予感が漂う中で行われた一戦、前半、試合をコントロールしたのはセレッソだった。立ち上がりこそ横浜FMに攻め込まれるも、瀬古歩夢、マテイ ヨニッチの両センターバックが跳ね返すと、10分過ぎから左サイドで清武弘嗣が起点となって、チャンスを作る。すると、12分、セレッソが先制に成功。松田陸が高い位置でボールを奪い、藤田直之が左サイドのスペースへ絶妙なパスを通すと、深い位置まで進入した丸橋祐介が清武へマイナスのパスを送る。相手を抜きにかかった清武は、一度はディフェンスに引っかかるも、再び自身の下へボールがこぼれると、慌てず中へクロス。絶妙なタイミングで飛び出した奥埜博亮が合わせてネットを揺らした。

 先制後もポゼッションこそ横浜FMに上回られたセレッソだが、中には入れさせず、受けるシュートはペナルティーエリア外から。19分、36分と広瀬陸斗に枠内ミドルを放たれたが、キム ジンヒョンが好セーブでゴールを守った。40分には、瀬古が跳ね返したボールを藤田、奥埜とつなぎ、最後は清武のクロスにブルーノ メンデスがヘディングで合わせたが、ここは惜しくもGKに防がれた。

 幸先良く先制し、相手の攻撃も抑える理想に近い展開で終えた前半だったが、後半になると、攻勢を強める横浜FMに対し、セレッソは最終ラインを押し下げられる。自陣ペナルティーエリア内まで進入されるケースが増えると、54分、決定的なピンチを招く。マテウスのクロス性のシュートはキム ジンヒョンがセーブしたが、こぼれ球をエリキに詰められると、ゴールに吸い込まれかける。ただし、ここはラインを割る直前で瀬古が足を伸ばしてスーパークリア。辛くも失点を免れると、62分、ティーラトンのクロスから放たれたエリキのシュートもキム ジンヒョンがビッグセーブで阻止した。

 セレッソとしてはこの時間帯を耐え、反撃に移りたいところだったが、我慢できずに失点を喫してしまう。68分、前線でボールを奪われショートカウンターを受けると、エリキのパスに抜け出されたマルコス ジュニオールに決められ、同点に追いつかれた。直後の70分にもカウンターから決定的なピンチを迎えたが、ここはマテウスのシュートを松田が体を張ってブロック。逆転は許さなかった。

 72分には、この試合がセレッソでの、そして、J1デビューとなった鈴木孝司がブルーノ メンデスに代わって投入された。すると、後半は劣勢の時間帯が続いたセレッソが、76分、ワンチャンスを生かす。後半開始早々、木本恭生に代わってピッチに入っていたソウザが蹴ったFKに、奥埜がつま先を懸命に伸ばして合わせ、逆転に成功。セレッソサポーターが陣取るゴール裏が歓喜に包まれた。直後には、鈴木が前線で体を張り、水沼に決定機が訪れたが、シュートはわずかにクロスバーを越えて、突き放すことはできず。その後は最後まで横浜FMの猛攻を受けたセレッソだったが、必死に耐える。終盤には足をつる選手も続出するなどギリギリの対応が続いたが、同点弾は許さず。終盤に逆転された前節と同じ轍は踏まず、2-1で勝ち切り、歓喜の瞬間を迎えた。

 過密日程、酷暑、横浜FMの猛攻…。厳しい試合となった今節だが、最後まで一人ひとりが力を出し尽くして戦い抜き、全員の力でリーグ戦4試合ぶりの勝点3を手にした。

文・小田尚史