8月24日(土)2019明治安田生命J1リーグ 第24節
ジュビロ磐田 0-2 セレッソ大阪 (19:03/ヤマハ/11,482人)
試合写真・コメントなど
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 アウェイ連戦となった2019明治安田生命J1リーグ第24節・ジュビロ磐田戦。セレッソ大阪は、前半18分に丸橋祐介の直接FKで先制すると、45分にはカウンターから水沼宏太が追加点。相手の猛攻を受けた後半も最後までゴールを許さず、今季のリーグ戦では実に12度目となるクリーンシートを達成し、2-0で快勝を収めた。

 今節の相手、磐田はJ1残留へ向けて後がなく、ここに来てシーズン2度目の監督交代に踏み切った。フェルナンド フベロ新監督にとっては今節が初陣。セレッソとしては、システムや守備のやり方なども含め、相手がどういった出方をしてくるか読めない部分もあったが、「ウチのスタッフが、磐田の新監督が前のチームでやっていたサッカーやスタイルを僕たちに落とし込んでくれた」(藤田直之)とスタッフによる事前の分析もあり、想定内の試合運びが可能に。これまで通り、しっかりとボールを動かし、試合を支配すると、8分に決定機。丸橋がディフェンス2人を抜いてクロス、クリアのこぼれ球を清武弘嗣がシュート。GKに防がれた跳ね返りを再び清武が押し込みゴールラインを割ったが、直前に清武の手に当たったとして得点は認められず。

 12分には、藤田のFKからチャンス。ファーサイドでマテイ ヨニッチが折り返し、中で瀬古歩夢が合わせたが、わずかにクロスバーを越えた。その後もボールを握り、波状攻撃を仕掛けるセレッソ。すると、待望の先制点は18分に生まれた。水沼のドリブルで得たFKを丸橋が蹴ると、完璧な軌道を描いたキックが突き刺さった。

 守備ではアダイウトンの突破に手を焼く場面こそ見られたが、組織が崩されることはなく、無失点で試合を進めると、45分に追加点。カウンターから、清武のパスに抜け出した水沼が鋭い切り返しで相手ディフェンスをかわして中へ切れ込むと、カバーに入ったディフェンスもかわして落ち着いて流し込み、ネットを揺らした。

 後半は、2点のビハインドを負った磐田が開始から2枚替え。特に右サイドに入った荒木大吾の突破に苦しめられたセレッソ。ディフェンスラインを押し下げられると、つなぎでもミスが目立ち始める。それでも、中央の牙城は堅く、最後はGKキム ジンヒョンがシュートを阻止。60分には、清武のサイドチェンジを松田陸が落とし、レアンドロ デサバトが狙い済ましてシュート。決定的な形だったが、わずかにポストを逸れた。

 ここからロティーナ監督は選手交代で相手の攻撃を封じる。77分、清武に代えて片山瑛一を投入。片山はアダイウトン対策として右サイドハーフに入り、松田陸との連係で抑えにかかる。85分には、片山投入と同時に左サイドに回っていた水沼に代わり、木本恭生がピッチへ。木本はボランチに入り、1枚目の鈴木孝司の投入と同時にボランチでプレーしていた奥埜博亮が左サイドハーフに移った。

 磐田の両翼の突破にもしっかりと対応しつつ、3点目を目指したセレッソは、90分、キムジンヒョン、木本、片山とつないでチャンス。片山が右サイドを突破したが、クロスがわずかに合わず。後半アディショナルタイムには、鈴木孝司のパスからブルーノ メンデスが裏を取ってシュート。ポストを叩いたこぼれ球を拾った奥埜のシュートもGKカミンスキーに防がれた。

 後半、ボール保持の時間をもう少し作りたかったことは確かだが、相手に決定機らしい決定機を作られることなく、試合を締めたことも事実。新監督の初陣を勝利で飾るべく気持ちを入れて臨んできた相手に対し、セレッソとしては「スコアから想像するより難しい試合」(ロティーナ監督)でもあったが、アウェイ連戦を連勝で終えることに成功。上位に肉薄する勝点3を掴んだ。

文・小田尚史