9月1日(日)2019明治安田生命J1リーグ 第25節
セレッソ大阪 2-1 川崎フロンターレ (18:03/ヤンマー/27,201人)
試合写真・コメントなど
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 今季初のJ1リーグ戦3連勝を懸けて、目標とするACL出場圏内に近づくため、さらには今節を前に負傷離脱したキャプテンの清武弘嗣に勝利を届けるために…。セレッソにとって、勝ちたい理由がこれでもかと並んだ今節の川崎フロンターレ戦。

 清武の抜けた注目の左サイドハーフには、柿谷曜一朗が入った。リーグ戦では第8節・清水エスパルス戦以来、17試合ぶりの先発となった。その他の10人は前節のジュビロ磐田戦と同じ。連勝中の流れを継続させて、今節に挑んだ。

 試合は序盤から激しく動いた。まず先手を取ったのはセレッソ。2分、藤田直之のCKをニアでマテイ ヨニッチが競ると、GKに弾かれたこぼれ球を最後は瀬古歩夢が押し込み、先制に成功。瀬古にとっては、これがうれしいJ1初ゴールとなった。幸先よく試合に入ったセレッソだが、ここから川崎Fの攻撃に圧倒される時間帯が続く。
 奪ったボールもつなげず川崎Fに波状攻撃を許すと、13分に失点。右サイドの家長昭博のクロスをGKキム ジンヒョンがパンチで弾いたが、こぼれ球を拾った阿部浩之に蹴り込まれ、同点に追いつかれた。
 20分過ぎからはセレッソもボールを持つ時間が増え始め、川崎Fの攻撃もトーンダウン。互いに主導権を握り合う展開となる。セレッソはブルーノ メンデスをうまく使いながら好機を作ったが、決定打は生まれず、前半は1-1で終了した。

 後半に入ると50分、ロティーナ監督が動く。ブルーノ メンデスに代えて鈴木孝司を投入すると、4分後、鈴木が大仕事をやってのける。藤田のロングスローのこぼれ球を拾って展開、右サイドを崩すと、最後はレアンドロ デサバトのクロスに対し、絶妙なポジショニングからニアでヘディングを突き刺した。得点後、一目散にゴール裏へ駆け出してサポーターと喜びを分かち合った鈴木。「チームメイト、サポーターに認めてもらうにはゴールが一番」との強い思いで挑んだ加入後初のホームゲームで、見事J1初ゴールを決めてみせた。

 その後は、ビハインドを負った川崎Fが選手やシステムを変えて反撃に出てきたが、セレッソも慌てず対応。クロスに対してもマテイ ヨニッチと瀬古がしっかりと中で跳ね返し、レアンドロ デサバトと藤田のボランチ2人も中央のスペースを埋めた。
 82分にはカウンターからセレッソに決定機。右サイドを水沼宏太が抜け出すと、3対1と数的優位の局面に。状況を確認した水沼が落ち着いて中へパスを送ると、受けた田中亜土夢がシュートを狙ったが、ここはGKに防がれ追加点とはならず。
 それでも、アディショナルタイムの6分間も含め、最後まで川崎Fの攻撃をしのいだセレッソが2-1で勝利。1失点を喫したとは言え、守備では相手の攻撃に粘り強く対応し、ここ2試合で課題となっていた後半の試合運びも改善。新加入の鈴木にゴールが生まれる、今後に向けて勢いが付く勝ち方で、セレッソが勝点を40に伸ばし、上位戦線に名乗りを挙げた。

文・小田尚史