9月13日(金)2019明治安田生命J1リーグ 第26節
浦和レッズ 1-2 セレッソ大阪 (19:33/埼玉/22,640人)
試合写真・コメントなど
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 リーグ戦4連勝を目指し、浦和レッズのホームに乗り込んだ今節。セレッソ大阪の先発は、前節から1人変更。U-22日本代表の北中米遠征から戻ったばかりの瀬古歩夢に代わり、今節に向けて準備を進めてきた木本恭生がセンターバックの一角に入った。

 前半、しばらくは中盤でボールを奪い合う展開も続いたが、次第にセレッソがボールを握り、動かしながら、浮いた位置を取った選手に丁寧にパスを付け、浦和ディフェンスを攻略にかかる。ただし、いい形で崩しかけても、最後のパスやクロスを潰され、跳ね返され、シュートまで持ち込むことができない。

 守備では、ワイドに張り出す関根貴大にも丸橋祐介がしっかり対応。浦和に決定機は作らせなかったが、32分、マテイ ヨニッチとキム ジンヒョンの呼吸が合わず、バックパスがあわやゴールに吸い込まれかける。ここで与えたCKから許した関根のシュートは松田陸がカバー。事なきを得た。

 39分には、関根のパスから興梠慎三に裏を取られる。ここは前半、最大のピンチだったが、中に折り返したクロスはマテイ ヨニッチがクリア。40分から前半終了まではセレッソが良い形でボールをつないでゴールに迫ったが、シュートには至らず、前半はスコアレスで折り返した。

 先手を取りたい後半。試合は動かしたのは、桜が誇る両サイドバックだった。47分、キム ジンヒョンのパスを受けた丸橋がハーフェーライン付近からドリブル開始。スルスルと相手を2人、3人とかわして持ち運んでクロス。水沼宏太のスルーを挟み、逆サイドから走り込んできた松田がダイレクトでシュートを放つと、相手DFにも当たってコースが変わり、見事、ファーサイドに突き刺さった。

 ここから試合はオープンな展開となり、激しく動く。先にチャンスを掴んだのはセレッソ。57分、レアンドロ デサバトのパスを受けた水沼がマイナスの折り返し。奥埜博亮が詰め、最後はブルーノ メンデスがシュートも、DFに防がれた。58分にも、相手DFのクリアを水沼がカット。こぼれ球が中央の柿谷曜一朗へ渡るも、シュートに持ち込むことができない。すると、60分、同点に追いつかれる。3分前に交代で入っていた荻原拓也にドリブルからシュートを許すと、キム ジンヒョンが手に当てて防ぐも、ポストに当たった跳ね返りを興梠に押し込まれた。

 勢い付いた浦和に対し、ロティーナ監督は鈴木孝司、田中亜土夢を立て続けに投入。ボール保持の時間を増やし、再び自らのペースへと引き戻すことに成功すると、82分、試合の行方を左右するプレーが起こった。失点場面では振り切られた荻原の突破を防いでボールを奪った松田が前線にパスを送ると、奥埜が落とし、鈴木孝司が阿部勇樹との1対1を緩急で振り切った。ファウルを犯した阿部は、2枚目の警告で退場になる。

 ここで得たFKの流れから、セレッソに2点目が入った。藤田直之のキックは跳ね返されるも、田中が拾って藤田へ。そこからのクロスも跳ね返されたが、再びレアンドロ デサバトが拾って、右サイドを攻略。松田、水沼、鈴木孝司とダイレクトでつなぎ、再びボールは松田の元へ。ここで、奥埜が中へ入る動きを見せ、クロスを警戒した浦和DFを引き付けると、ペナルティーエリア手前で田中がフリーに。松田のパスを受け、トラップからシュート、淀みない動作から放たれたパーフェクトなドライブシュートが決まり、セレッソが浦和を突き放した。

 以降は数的優位も生かしつつ、危なげなく時計の針を進めたセレッソ。ホームで喫した悔しい敗戦のリベンジにも成功し、リーグ戦4連勝を達成。上位を追撃する貴重な勝点3を手にした。

文・小田尚史