3月20日(日・祝)2016明治安田生命J2リーグ第4節
モンテディオ山形 0-1 セレッソ大阪 (13:04/NDスタ/12,603人)
試合写真・コメントなど
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すべて1-0のスコアで開幕3連勝を達成し、前節終了時点でロアッソ熊本と並んで首位に立ったセレッソ大阪。4連勝を懸けて挑んだ今節は、今季初勝利を目指すモンテディオ山形の敵地へ乗り込んでの一戦となった。
開幕4試合目にしてようやくホーム開幕戦を迎えた山形。待ちわびたサポーターの気持ちを表現するかのように、試合前にはホームゴール裏から紙吹雪がまかれた。そんな高揚感に包まれた山形の攻撃に対して、序盤、セレッソは守勢に回る時間帯が増える。山形の幅を使ったサイド攻撃に振られる場面も見られ、特に山形の右サイド、山田拓巳のシュートが何度かセレッソゴールを襲ったが、ここは、韓国代表GKキム ジンヒョンが防ぐ。さらには、この試合、山形で最も警戒していた大黒将志に対しても、守備陣がしっかり対応。山下達也を中心に体を寄せて抑え込んだ。
序盤はパスミスが目立ち、思うように敵陣までボールを運べなかったセレッソだが、守備の安定とともに次第に攻撃も活性化。柿谷曜一朗を中心に攻め込む場面を作る。39分には柿谷、丸橋祐介とつながり、丸橋が対面の選手をかわしてクロス。ブルーノ メネゲウがファーで合わせるもポストを叩いた。45+4分にもビッグチャンス。柿谷のクロスからリカルド サントスが決定機を迎えるも、ヘッドは惜しくもミートしなかった。
両チームともに自分たちの時間帯がありながらも無得点。どちらのペースとも言えないまま前半は終了するも、相手のホーム開幕戦であること、さらには風下であったことを考えると、セレッソとしては守備でよく我慢した前半45分とも言えた。
エンド変わった後半、セレッソは開始から攻勢をかける。51分には、ソウザのパスに裏を取って抜け出した松田陸が中央の柿谷へ。先制の絶好機が訪れたが、柿谷のシュートは枠を捉えることができなかった。直後の52分には、ヒヤリとする場面も訪れる。山田のクロスにキム ジンヒョンが飛び出すもクリアし切れず、ディエゴにヘッドを許したが、このシュートはポストをわずかに外れ、事なきを得た。
ここから大熊清監督は立て続けに攻撃の交代カードを切る。60分に関口訓充、70分に澤上竜二を投入してサイドを活性化させると、同点という状況ながら、77分に早くも3枚目の交代として切り札の田代有三をピッチに送り込んだ。この積極采配について、試合後に指揮官は、「勝点3を奪いに行く姿勢やメッセージをピッチに与えたかった。紅白戦の出来や調子も良かったので、躊躇なく送り込めた」とその意図を明かした。監督の期待に応えたのは田代。90分、松田のクロスはDFにクリアされるも、そのこぼれ球を拾ったソウザが相手のスライディングをかわして溜めを作り、冷静に中へ折り返すと、待っていたのは田代。こちらも冷静に右足で止め、左足でゴールに流し込んだ。田代にとって山形は2010年に1年間プレーした古巣。今季はここまで出場機会も少なかったが、練習からアピールして巡ってきたチャンスでしっかりと結果を残した。試合後は顔馴染みの山形番記者にも囲まれ古巣への思いを語るなど、ハンサム過ぎるスマイルも振りまいていた。スコアレスドローもちらつき始めた時間帯での待望の先制点に、ピンク一色で染まったアウェイゴール裏のセレッソサポーターも歓喜に沸いた。
終わってみれば、山形に決定機らしい決定機をほぼ与えることなく4試合連続1-0での勝利を収めたセレッソ。開幕から4試合連続無失点はJ2新記録となった。また、セレッソにとって、J1昇格を果たした2009年以来となる無傷の開幕4連勝は、チーム全体の信頼関係の賜物でもある。今節も、最後まで失点を許さなかった守備陣の奮闘に攻撃陣が応えた。
また、途中出場の田代による決勝点は、常々「先発の11人だけではなく、ベンチも含めた18人、さらには試合に来ていない選手も含めた全員で戦っている」(大熊清監督)チームにとって、さらなる成長にもつながる要素だ。「舞洲で本当にいい競争ができている。それが結果にも出ているので、チームにとって自信になる」と茂庭照幸が試合後に語ったように、「競争と結束」を掲げる日々の成果を結果につなげることができている。複数得点という課題こそ持ち越しとなったが、「スコアは気にせず、勝ちという現実だけを受け止めたい。勝点を積み重ねていくことを大事にしたい」と柿谷キャプテンも話す。勝ち切る強さは昨季のチームに欠けていた要素なだけに、たくましく変貌を遂げつつあるチームは頼もしい。
開幕5連勝を懸けて挑む次節は、ホームでのツエーゲン金沢戦。思い返せば、昨季も開幕から6試合負けなしで迎えた第7節、キンチョウスタジアムで迎えた同カードで、セレッソは0-2でシーズン初黒星を喫した。そんな苦い記憶を払拭しなければならない。今節の結果、4連勝はセレッソのみ。単独首位となったが、「この勝利を忘れて、しっかりとまた明日から準備したい」と話す指揮官の下、次節も一戦必勝の姿勢で挑む。
文・小田尚史
ニュース
J2 第4節 山形戦|レビュー:終了間際、田代有三の劇的決勝弾で無傷の開幕4連勝を達成。単独首位に浮上!
2016年3月21日(月・祝)
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- 小田尚史
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