4月5日(日)2015明治安田生命J2リーグ第6節
FC岐阜 vs セレッソ大阪 (13:00KICK OFF/長良川)
チケット
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第3節はファジアーノ岡山、第5節はジェフユナイテッド千葉と、直近のアウェイ2試合、セレッソ大阪はいずれも当時の首位チームとの対戦となった。一転して、今節のアウェイ戦は最下位のFC岐阜が相手。客観的に考えればセレッソ優位の状況は動かないが、油断は禁物。FC岐阜は第4節・ツエーゲン金沢戦はホームで内容的に完敗し、前節の第5節・大分トリニータ戦も敵地で2-6と大敗。大分戦後はゴール裏の一部岐阜サポーターとラモス瑠偉監督が意見をぶつけ合ったという情報もあるが(> アウェイチーム情報)、それだけに、今節は失うモノがない相手がプライドを懸けて全力で立ち向かってくることは確実。セレッソとしては、油断すれば、足元をすくわれる。FC岐阜の“雨降って地固まる”の展開だけは避けたい。

試合としては、セレッソがボールを持つ時間は増えるだろう。先制すれば相手のメンタルの動揺を誘うこともできるだけに、攻撃陣には、決め切れるチャンスでしっかり仕留めることが求められる。開幕からの5試合で3得点3アシストと結果を残しているフォルランや、前節今季初得点が生まれたカカウ、潤滑油的な働きで攻撃を機能させている玉田圭司など、90分の中で決定的な仕事ができる役者は揃っているだけに、彼らのプレーからは今節も目が離せない。また、パウロ・アウトゥオリ監督は常々、「縦に出せるタイミングは逃すな」と選手たちに強調している。前節の1点目は、長谷川アーリアジャスールがフォルランの動き出すタイミングにピタリと合わせた。今節も、ゴール前を固められた相手に対し、きれいに崩せずとも、扇原貴宏や長谷川ら中盤からの1本のパスで岐阜守備陣の隙を突くことも、攻撃の選択肢の1つとなる。

一方で、前節4失点の守備の修正も求められる。前節終了後、扇原が、「単純なミスは減らさないといけない。自分たちで苦しい試合にしてしまった。途中から全体をコンパクトにできず、ラインも少し下がり過ぎてしまった」と苦境に陥った原因を話せば、3-2と逆転した後の2失点について山口蛍も、「完ぺきに崩されたというより、自分たちで曖昧にしてしまった。セカンドボールや競り合いの部分はもっと強く行かないといけない」と課題を語った。両者とも、自分たちの中にある甘さに守備の緩みがあったと認識しているだけに、球際やDFのラインコントロールをもう一度引き締めることも、今節、勝利を掴むためには欠かせない。

5節を終えて勝点9。優勝ラインの目安とされる“試合数×2”には届かなかったが、この5試合は上位陣との試合が続いたことを考えれば、負けなしで終えたことは評価できる。アウトゥオリ監督も「次第に個人のパフォーマンスもチームの完成度も上がってきている」と現状を語る。4月以降、勢いをさらに加速させるために、今節、アウェイでの今季初勝利を目指し、セレッソは敵地・岐阜に乗り込む。

文・小田尚史