6月28日(日)2015明治安田生命J2リーグ第20節
栃木SC vs セレッソ大阪 (18:00KICK OFF/栃木グ)
試合写真・コメントなど チケット
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 なんでやねん!
 とは、まさにこのタイミングで叫ぶべき言葉である。なぜこのタイミングで契約終了なんだフォルラン。グリスタ(栃木県グリーンスタジアム)にも歴史を刻めよフォルラン。フォルラン押しのマッチポスター、かなり刷っちゃったんだぜ…。
 というのが今節を迎えるに当たって真っ先に来る思いだが、過ぎ去ったことを嘆いても仕方がない。今節はそのほかにも見どころが、ある。

「まあ、楽しみっすね」と言うのは、セクシー野洲の申し子、乾貴士の同級生で楠神順平の1学年下、右サイドバックの荒堀謙次だ。順当にスタメン出場すれば楠神とのマッチアップが実現する。プロの舞台では初対戦だという。野洲高は上下関係がゆるく、荒堀にとって楠神は「仲良く遊んだし、普通にいじれる」と言うが、ピッチ上では「めっちゃ嫌な相手」と苦笑いする。「ドリブルもあるし、スピードもあるし、攻撃となると力を発揮するので。まあ、どうにか頑張りますよ」と話しながらもなんだかんだ対戦を心待ちにしている様子である。

 もう1人、セレッソ戦士に繋がりのある選手がいる。通称ミスターアルビレックス。現在は栃木に完全移籍、選手間で“帝王”と称される本間勲である。そのボスキャラの1学年先輩にあたるのが玉田圭司だ。「あのときの習志野高は、玉田君を中心とするチームでしたからね」と、15年ほど前の記憶に本間は目を細める。「今と同じようにドリブルが得意で、苦しいときにゴールを決めてチームを助けてくれる頼りになる先輩でした。玉田君は、前線から降りてきてボールを触ってリズムをつかむタイプの選手だし、フリーで前を向かれるといくらでもいいボールを出されるから、できるだけ自由にプレーさせないように注意したい」
 栃木が警戒すべきポイントを挙げればキリがない戦いだ。荒堀も「順平君だけ抑えればいいって話じゃ全然ないですから」と気を引き締める。

 ただ、1人ギラつく男が…。
「そこまで差はないと思うんですよね」
 中美慶哉。流通経済大から加入2年目ながら、チーム最多の7ゴールと急成長中。前節は、終了間際の劇的フリーキック弾を含む2ゴールでチームに今季初の逆転勝利をもたらした男が「是が非でもここで連勝したい」と意気込む。やってくれそうな気配もプンプン漂わせている。
 栃木は、今季ここまで連勝がない。いい流れで勝った次の対戦で磐田・大宮ら力のある相手に跳ね返されてきた。今まで以上にチーム状態はいいが、「5度目の正直」を狙う今節はいかなる結果が出るか。
「今はみんなが自信を持っている。セレッソ相手にどれだけできるか、本当に楽しみ」(本間)
 
 セレッソとの対戦は2009年以来。栃木がJリーグに参入した1年目で、ホーム・グリスタでの対戦は7月8日のことだった。あのとき栃木サポーターは、香川真司と乾貴士が2人で横方向にパス交換しているだけなのに全然奪えない!という驚愕の光景に遭遇した。さらには、ワンダーボーイ香川がハーフウェイライン付近から放ったロングシュートが、グリスタの空にそれはそれはきれいな放物線を描きながらゴールネットに吸い込まれていくのを目の当たりにした。
「あのゴールが衝撃的すぎて、乾がプレーしていたことを思い出せない」
 当時DFとして対応した赤井秀行は独特の言い回しであの放物線のすごさを表現した。ちなみに、この試合でゴールマウスを守っていたのは、現在はセレッソに在籍する武田博行である(タケさん、キム ジンヒョンの壁は厚いだろうけど、栃木のみんなは応援してっかんね。地元・関西でひとはな咲かせるんだよね、がんばれよ!)。

 今節は日曜日のナイトゲーム。セレッソサポーターは、早めに宇都宮に来られるのだろうか。様々な餃子を前に、どれを食すべきか迷うかもしれないが、オススメは『みんみん』と『正嗣』の2択で間違いなし!餃子のタレの黄金比は醤油・お酢・ラー油を4-4-2だ。信じるか信じないかはあなた次第、ご堪能あれ。

文・鈴木康浩

プレビュー:「継続することが大事」(長谷川)な一戦。前節掴んだ上昇への流れを加速させ、連勝で上位との差を縮めたい
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