7月26日(日)2015明治安田生命J2リーグ第26節
ジュビロ磐田 vs セレッソ大阪 (18:00KICK OFF/ヤマハ)
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 自動昇格を争うライバルとの直接対決。今後のJ2の行方を占う大一番。今節を形容する言葉はいくらでも見つかる“真夏の決戦”だ。3位・セレッソ大阪(勝点41)と2位・ジュビロ磐田(勝点47)との勝点差は6。セレッソが勝てば、その差は3に縮まり、磐田が勝てば9に広がる、いわゆる“シックスポイントマッチ”でもある。パウロ・アウトゥオリ監督も、「お互い、この試合の結果ですべてが決まるわけではないが」と前置きしつつ、「勝てばこれからに勢いが付く試合」であることを認めている。

 10試合ぶりに喫した前々節の京都サンガF.C.戦での敗戦を取り戻すべく臨んだ前節のファジアーノ岡山戦。セレッソは、京都戦と同様、試合開始早々に先制点を奪われる嫌な立ち上がりとなるも、ホームでは2試合連続となる田代有三と玉田圭司の揃い踏みにより、2-1と勝利。磐田との大一番を前に、「精神的にも強くなる」(玉田)今季初の逆転勝ちを収めた意味は小さくない。ただし、前節、FC岐阜に敗れたことで再びネジを巻き直して今節に挑んでくるであろう磐田は、言うなれば、前節のセレッソと同じ状態。そういった相手を倒すには、「我々の技術、戦術、体力、精神力の全てを試合の中で限界に追い込むこと」(アウトゥオリ監督)が必要となる。

 前回、ホームで行われた磐田との対戦では、前半45分に磐田のオウンゴールでセレッソが先制するも、後半に迎えた決定機を決め切れずにいると、69分、88分と連続して失点。悔しい逆転負けを喫した。それだけに、「負けっぱなしで終わりたくない」と酒本憲幸は話す。“やられたらやり返す”のが勝負の掟でもある。この試合から現在に至るまで、セレッソはカカウとフォルランの契約満了による退団や、長谷川アーリアジャスールの海外移籍、田代のチームへの本格合流など、激しい選手の入れ替わりがあった中で、組織として着実に積み上げてきた。失点が大幅に減り、攻守にチームとして戦えるようになった。直近10試合は5勝4分1敗。安定感も生まれ、誰が出場してもしっかりと戦える基盤ができつつある。

 第19節・徳島ヴォルティス戦での負傷で楠神順平が無念の離脱をすれば、入れ替わるように戻ってきた関口訓充が充実した働きを見せた。扇原貴宏が第23節のコンサドーレ札幌戦で起こした脳しんとうの影響で、その後の試合を欠場するも、橋本英郎が技術と経験に基づいた味のあるプレーで中盤を締めている。前節は、セレッソ加入後、リーグ戦では初先発となった吉野峻光が躍動感あるプレーを見せ、出場停止のパブロの穴を感じさせなかった。桜の正守護神として、今季もここまでゴールを守り続けてきたキム ジンヒョンが、前節の試合中に右鎖骨骨折の重傷を負い、離脱を余儀なくされる不運に見舞われたことは残念極まりないが、それでも、「プロとして常に準備を怠らない姿勢には頭が下がる」と指揮官が最大限に評価する丹野研太と武田博行が出番を待つ。「セレッソの将来を見据え、しっかりと基盤を作っていく」という強い信念を持つ指揮官の下、現在のセレッソはチームとして成熟の過程を歩んでいる。それだけに、結果として勝点を積み重ねることで、その手応えをより大きなモノにしていきたい。

 間違いなく、タフで激しい一戦となる今節。セレッソは、これまで積み重ねてきた力をすべて出し切り、自動昇格圏を視界に捉える勝点3をチーム全体で掴み取りに行く。

文・小田尚史

試合前日の監督・選手コメント
相手チーム情報:昇格レース占う真夏の決戦。前節の敗戦ショックはひきずれない
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