8月1日(土)2015明治安田生命J2リーグ第27節
愛媛FC vs セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/ニンスタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 前節、セレッソ大阪は自動昇格を争うライバルである2位・ジュビロ磐田との直接対決に1-0で勝利。「勝つと負けるでは全然違う」(山口蛍)大きな1勝を掴み取った。ただし、試合後の監督や選手は勝利の余韻に浸り過ぎることなく、次を見据えていた。磐田のジェイの決定的なシュートを阻止した丹野研太も「今日の勝ちを無駄にしないために、ここからも勝ち続けていけるように、一戦一戦、戦っていきたい」と引き締まった表情で話していた。

 ビッグゲームを終えて挑む今節、アウェイでの愛媛FC戦を迎えるにあたって怖いのが、気の緩み。思い出されるのは第24節の京都サンガF.C.戦だ。第23節のコンサドーレ札幌戦で3-1と会心の勝利を挙げた翌節、セレッソは試合の入りに失敗して開始早々に失点。「もっと魂込めて戦わないといけなかった。2度とこういう試合はしたくない」と試合後に山下達也が猛省した内容となった。
 今節を前に、田代有三が「京都戦と同じことを繰り返さないように、みんなで集中して戦わないといけない」と話せば、「アウェイでダラッと試合に入らないように、最初にハッキリしたプレーをしないといけない」と橋本英郎も語る。今節は、試合前から決戦ムードが充満していた前節とは異なる環境となるが、「本当に強い集団であるならば、どんな状況であれ、いつでも自分たちの力を出し切らないといけない」(パウロ・アウトゥオリ監督)。関口訓充も「自分たちは毎試合、トーナメントのファイナルを戦う気持ちで臨まないといけない」と強い口調で話す。

 前節はジェイ、アダイウトンといった相手の強力な攻撃陣に対して、セレッソは守備での奮闘が目立った。一転して今節は、愛媛の守備をどう破るか、といったこともテーマとなる。前節の愛媛は前半に先制し、後半だけで札幌にシュート18本を浴びながらも1-0で守り切り、7試合ぶりの勝利を手にしている。今節も粘り強い戦いは変わらないだろう。その中で、セレッソは愛媛が隙を見せる瞬間を逃さないことが求められる。
 とはいえ、愛媛は守るだけのチームでもない。これまでの総パス数はJ2でも上位。つなぐ力も持っており、前節で先発した前線の3人はそれぞれに特長を持つ。7月12日まで期限付き移籍で、愛媛でプレーしていた秋山大地は「せぬくん(瀬沼優司)は推進力がある。貴司くん(近藤貴司)は速い。河原くん(河原和寿)は一番厄介な選手」と表現する。前向きでボールを持ったときは思い切った仕掛けをしてくる彼らに対し、セレッソは攻撃時の守備でのリスク管理も怠ってはいけない。

  シーズンが進むにつれ、着実に進歩を遂げているセレッソ。第25節のファジアーノ岡山戦で今季初の逆転勝利を収めれば、前節は磐田との大一番を制した。「今は一人ひとりが自信を持って、勝利をモノにするという気持ちで一つになっている」とアウトゥオリ監督も手応えを語る。今節は今季初の3連勝が懸かる。また1つ壁を破り、チームとしての成長を示すとともに、自動昇格圏へと突き進みたい。

文・小田尚史

試合前日の監督・選手コメント