8月23日(日)2015明治安田生命J2リーグ第30節
大分トリニータ - セレッソ大阪 (18:00KICK OFF/大銀ド)
試合写真・コメントなど チケット
----------

 長丁場の明治安田生命J2リーグもすでに3分の2が過ぎた。ここから終盤に向けて1戦ごとの重みが増していく中、前節、セレッソ大阪は最下位のFC岐阜と戦い、1-0の辛勝。「もっと自分たちが主導権を握って、試合を終わらせないといけなかった。引き分けに持ち込まれてもおかしくない展開にしてしまったのは反省点」と酒本憲幸も語る試合内容に、試合後のセレッソのゴール裏の一部サポーターからは叱咤の声も飛んだ。それでも、「内容に反省できるのも、勝ったからこそ。とにかく、今の自分たちは結果を出さないといけない」と酒本は続ける。力が拮抗したJ2リーグ。どのチームも勝ちたい気持ちで臨んでくることは変わらない。今後も毎試合、厳しい試合が続くことを予感させる前節の戦いだった。

 その意味では、J3降格圏から脱出すべく勝点を奪いに挑んでくる大分トリニータが、今節、彼らのホームで強い気持ちで向かってくることは必至。セレッソは、そういった相手を打ち破る強さが、今節も問われる。ましてや、6月以降、ホームでは5勝2分と白星が先行するセレッソではあるが、アウェイに関しては2勝3分2敗と勝ち切れない試合も多い。前回のアウェイ戦である第27節・愛媛FC戦での苦い逆転負けも記憶に新しい。「本当に強いチームであれば、相手によらない集中力やリスペクトを持つことができる。毎試合、技術、戦術、体力、全てにおいて自分が持っている限界まで出すことが求められる」とパウロ・アウトゥオリ監督は話す。

 今週、チームは、「攻守において、今までやってきたことの精度をもう一つ高く持っていくトレーニングを行った」(パウロ・アウトゥオリ監督)。その中で、注目は2トップ。前節、前々節とエジミウソンが先発フル出場を果たしているが、田代有三が練習から好調を維持すれば、玉田圭司も欠かせない存在になっていることはこれまでの試合で証明済み。さらに、永井龍や楠神順平も練習から猛アピールを続けている。紅白戦ではいくつかの組み合わせが試された中、最終的に指揮官が選ぶ先発、そして途中交代も含めた采配には注目だ。さらに、FWだけではなく、中盤からの組み立てや、2列目の背後への飛び出しやドリブルも含め、「2ラインをコンパクトにして守る」(アウトゥオリ監督)大分の守備を打ち破りたい。

 守備では、大分のカウンターとセットプレーには注意が必要。大分にとっての前節の京都サンガF.C.戦。大分は、中盤で京都のパスをカットするや、奪ってから1本目のパスを受けた為田大貴が一気にサイドをドリブルで駆け上がり、そのまま放ったシュートが決まって先制点を奪っている。「自分たちが攻めている時のリスク管理は大事。相手のカウンターの起点をしっかり止めたい」と山下達也が話せば、染谷悠太も「ボールを奪ってからサイドを使うことと縦への速さを大分は狙ってくると思う。チームとして意識して守りたい」と守備でのポイントを指摘する。そして、セレッソの最後尾で守るのは、2012シーズンに大分でJ1昇格を掴み取った丹野研太。今節に向けては、「いろいろな思いはあるけど」と前置きしながらも、「勝つことだけを考えて、目の前の試合に集中して戦いたい」と個人的な感傷は胸にしまい、桜のゴールを死守する構えだ。

「昇格するためには勝点3を重ね続けないといけない。僕は今季のこのチーム、このメンバーで昇格したい」という関口訓充の熱い言葉は、チームの総意。リーグ戦では、8月最後の一戦。今節を終えると、天皇杯を挟み、リーグ戦は3週間、間が空く。気持ちよく中断期間を迎えるためにも、さらには、自動昇格へ向けての足取りをより力強いモノにするためにも、今節での勝点3は譲れない。

文・小田尚史

試合前日の監督・選手コメント 
相手チーム情報:アンチ・フットボールと言われても、まずはJ2残留に向けて勝点1を死守したい! 
イベント&スタジアムグルメ情報