8月29日(土)第95回天皇杯1回戦
セレッソ大阪 - FC大阪 (18:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 8月の明治安田生命J2リーグ戦では、後半に2連勝し、再び3位に返り咲いたセレッソ大阪。ここからの2週間はJ2は一旦中断となり、もう1つの大事な戦いに挑む。それは、今回で95回目を迎える天皇杯。優勝チームにはアジアクラブナンバー1を決めるACL(AFCチャンピオンズリーグ)出場権が与えられる重要な大会で、今季セレッソがACLを狙える唯一の大会でもある。88チームが出場するノックアウト方式(一発勝負)のトーナメント戦において、J2チームは1回戦から登場。悲願のタイトル獲得を目指すセレッソは、初戦で大阪府代表のFC大阪との公式戦初対戦が決まり、いわゆる『大阪ダービー』に臨む。

 3度の準優勝、2度のベスト4など、伝統のカップ戦で実績も残しているセレッソ。一方で、カテゴリーが下の相手に苦戦したり、敗れた経験も持っている。
 記憶に新しいところでは、2009年度に当時東北社会人リーグの福島ユナイテッドFCに1-2と初戦の2回戦で敗退。昨年度も同じく初戦の2回戦で、当時三重県社会人リーグのヴィアティン桑名(現ヴィアティン三重)に2度のリードを許すなど、延長戦までもつれ込む苦戦を味わった(4-2と勝利)。そして、準々決勝でJ2のジェフユナイテッド千葉に0-1と惜敗。そういったジャイアントキリングの怖さを体感させられているチームとしては、勝利のために「しっかりと細心の注意を払ってプレーしたい」(染谷悠太)ところ。そして、パウロ・アウトゥオリ監督も述べるように「どの試合においても、重要性という意味では変わらないし、負ければ終わりということもあり、一戦一戦が決勝のつもりで戦わなければいけない」。

 相手のFC大阪は、大阪から3番目のJリーグ入りを目指すプロサッカークラブ。昨年度の第38回全国地域サッカーリーグ決勝大会で準優勝し、今季からはJ1から数えて4部相当のJFL(日本フットボールリーグ)に所属。1stステージでは16チーム中5位という好成績をあげ、現在進行中の2ndステージでは一時5連敗と苦しんだが、リーグ中断直前の第7節で勝利。そして、8月23日に行われた天皇杯大阪府代表決定戦(第20回大阪サッカー選手権大会決勝)で阪南大学を4-2と下し、2年連続天皇杯本大会出場を決めている。
 ガンバ大阪、京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)、ヴィッセル神戸でプレーした経験を持つ森岡茂氏が2008年から監督を務めるFC大阪。阪南大戦後「誰も負けることを目指してやるわけはないし、勝つように準備をしていきたい」とセレッソ戦への抱負を語った指揮官。「ウチの持ち味は攻撃力だと思うので、上のチームにどれだけ点を取れるのか、そういうチャレンジもしていきたい」と、セレッソ相手にもアグレッシブさを前面に出していきたい構えだ。主軸のブラジル人FWフィリピーニョをケガで欠くものの、JFL得点ランキング5位のFW中村亮太(9得点)をはじめ、ブラジル人MFジュニーニョら攻撃力の高いタレントが揃い、守備でもキャプテンのDF岩本知幸を中心に堅守を誇るだけに、セレッソにとっては侮れない相手であることは間違いない。

 また、2002年から3シーズンの間、セレッソでプレーしたFW御給匠も、現在FC大阪で活躍中。187cmのハイタワーは、阪南大戦では欠場していたが現在は調子も上がってきており、今回の古巣対決を非常に楽しみにしているようだ。「もし出ることができれば、セレッソサポーターはなかなか覚えていないかもしれないですが、成長したところを見せられるように頑張りたい」と話すストライカーは、SAGAWA SHIGA FC時代の2012年の第92回大会でヴィッセル神戸に勝利した経験を持っている。「どういう条件でジャイアントキリングが起こるかというのは、だいたいある程度は予測もできる。90分、相手よりも勝つという気持ちを持つことや常に集中することは、誰にでもできる。そこをしっかりやっていきたい」と意気込みを述べていた。

 3月には、練習試合とはいえFC大阪に0-1と敗れていることもあり、セレッソとしてはそのときのリベンジを倍返しで行いたいものだ。大阪を名乗る以上、この一戦はセレッソとしては絶対に落とせない、勝たなければいけない試合になる。
 
文・前田敏勝