12月6日(日)2015 J1昇格プレーオフ決勝
アビスパ福岡 - セレッソ大阪 (15:35KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 2015年シーズンのセレッソ大阪ラストマッチは、J1昇格をかけた最終決戦。その舞台は、J1昇格プレーオフ決勝。相手は、明治安田生命J2リーグ戦にて、2位ジュビロ磐田と勝点82で並ぶ3位という成績を残し、プレーオフ準決勝でもV・ファーレン長崎に勝利した、強敵、アビスパ福岡。シーズン4位のセレッソとしては、勝利が絶対条件となる、クラブの未来をかけた大一番に挑む。

 本当に険しい道のりだった。それでも、チームは最後まであきらめず戦い、自力でJ1昇格ができるところまできた。J2第42節東京ヴェルディ戦(2-0)、J1昇格プレーオフ準決勝の愛媛FC戦(0-0、大会規定によりレギュラーシーズン上位のセレッソが勝ち上がり)と、内容のある試合で結果も残し、ここにきて今季一番といえる結束力で、チームはひとつになっている。

「この1試合で人生がどれだけ変わるか、みんなも分かっている。一人ひとりのため、このチームのため、みんなで責任感を持ってやっていきたい」(キム ジンヒョン)、「今年1年間、いろんなことがあったなかで、その(J1への)想いをぶつけていい結果を残せるようにしたい」(丹野研太)、彼らや武田博行、北野貴之ら桜が誇る守護神たちは、まさに最後方からチームの支えになってきた。

「微力ですが、力になれたら。チームをバックアップしたい」(染谷悠太)、「最後の試合には出られないですが、気持ちはチームとともにある」(藤本康太)、「(復帰した練習では)『あいつも頑張っているな』と思って、多少の底上げになれればと思ってやっていた。全力でチームを応援するだけ」(吉野峻光)、「自分が元気を出して、あとはみんなに託したい」(永井龍)。彼らをはじめ、椋原健太、秋山大地ら、残念ながらケガで別メニューを強いられるなど、この一戦に出場が叶わない選手たちも、今季の貴重な戦力。彼らがいたから、ここまでみんなが頑張ってくることができた。

「自分たちの力を出し切れば、自ずと結果はついてくる」(田中裕介)、「セレッソがJ1に戻る力になりたい。ここで勝てば、すべてが報われる。得点に絡む仕事をしたい」(田代有三)、「次の試合はいろんなものを左右する大事な試合。覚悟を持ってやりたい」(中澤聡太)、そう述べる彼らや、玉田圭司、橋本英郎、茂庭照幸、関口訓充、北野ら今季加入した経験豊富な選手たちの存在は、本当に桜にとってかけがえのない財産となっている。

「チームに少しでもいい影響を与えられるように、活性化できれば」、期限付き移籍から12月1日に復帰したそれぞれ大きく成長した小谷祐喜、温井駿斗、米澤令衣も、最後の1週間、セレッソの一員として、J1昇格にかけるチームと想いを1つにした。また、西本雅崇、阪本将基、沖野将基、池田樹雷人、前川大河といった桜色の戦士として1年を過ごしたルーキーたちも、トレーニングからチームに新たな息吹を送り込んだ。さらに、今季後半戦で活躍した小暮大器、大ケガから復活してベンチ入りも果たした岡田武瑠は、秋山らとともに、未来への希望の灯りもともした。

「ここまで来たのは目標を達成するため。大事な一戦で集中して、100%の力で臨みたい。セレッソはJ1にいなきゃいけないチーム。ベストを尽くして結果を出したい」というパブロや、エジミウソン、マグノ クルスといった外国籍選手は、チームのために献身的に尽くしてくれた仲間。フォルラン、カカウも含めて、彼らの頑張りも忘れてはいけない。

「僕らのほうが『やってやろう』という気持ちはある」(山下達也)、「こういうときに仕事をしたい。最後は気持ちを見せたい」(楠神順平)というイレブンは、今季2度敗れた福岡へのリベンジに燃えている。そして、「最後の試合が長居でできる。たくさんのサポーターの応援に応えられるように90分しっかり戦いたい」(丸橋祐介)、「サポーターの力も借りながら、セレッソ全体で勝てるようにしたい」(扇原貴宏)と生え抜きの2人も言うように、決戦の地は、聖地、ヤンマースタジアム長居。地元の多くのセレッソサポーターとともに、この舞台でできる幸せを胸に戦う。

「僕たちは次、勝つしかない。しっかり決めて(J1に)昇格したい」というのは、主将の山口蛍。そして、「あのときのことを払拭するためにも、プレーオフを制して、J1に行きたい」というのは、2005年、J1制覇目前で夢破れた『長居の悲劇』を知る、酒本憲幸。その想いはセレッソに関わるすべての人の願いだ。

今夏まで在籍していた長谷川アーリアジャスールや安藤淳も含めて、本当に素晴らしい選手たちが揃った2015年のセレッソ。さあ、準備は整った。あとは「力を出し尽くす」(大熊清監督)だけ。選手、スタッフ、フロント、サポーターが1つになり、ありったけのセレッソ力で、この勝負、何が何でも勝つ。J1への切符を、絶対に勝ち取る。

文・前田敏勝

試合前日の監督・選手コメント  
相手チーム情報:キーワードは「いつも通り」。5年振りのJ1へ準備は万端