9月11日(日)2016明治安田生命J2リーグ第31節
セレッソ大阪 - V・ファーレン長崎 (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 明治安田生命J2リーグ戦が中断している2週間で、天皇杯を戦い、アルヴェリオ高松を10-0京都サンガF.C.を延長戦の末に2-1と下して、3回戦に進出。J2第30節ツエーゲン金沢戦(3-1)とあわせて、公式戦3連勝で、9月のリーグ戦再開を迎えることができた、セレッソ大阪。J2は残り3カ月、12試合、いよいよ大事な局面に入っていく。2位の松本山雅FC(勝点57)との差が勝点3とはいえ、4位ファジアーノ岡山(勝点53)、5位清水エスパルスと6位京都(ともに勝点51)が、すぐ後ろに迫ってきているだけに、J1自動昇格を勝ち取るためにも、とにかくここからは勝ち続けなければいけない、サバイバルレースが待っている。そこで迎える中断明け初陣、J2第31節では、ホームのキンチョウスタジアムで、11位のV・ファーレン長崎との一戦に挑む。

 ただし、直近の公式戦となる天皇杯2回戦で、杉本健勇が負傷。全治3週間という診断が発表され、戦線離脱を余儀なくされた。リーグ戦チームトップの9ゴールを記録し、6月19日の第19節徳島ヴォルティス戦からリーグ戦12試合で8得点、天皇杯2試合で6得点をあげているチームの牽引役が不在となるのは、「悲しいし、今季伸び盛りで、これからというときだっただけに、非常に残念」(大熊清監督)なことだ。

 それでも、苦況だった夏場において、チームを鼓舞する活躍を見せる酒本憲幸は言う。「こういうときこそ、チームの力が大事になる。一人ひとりがチャンスと思って、『セレッソのためにやる』ということが一番鍵になるし、それが一番勝利に直結すると思う」と。大熊監督も「杉本や柿谷(曜一朗)だけでなく、負傷離脱した選手たちが帰ってくるまで、粘り強く、いろんなことがあったうえでも、総合力で勝っていくことが一番必要になる」と述べるように、チームの総力で乗りきっていきたいものだ。

 長崎とは、第17節、アウェイで対戦。当時は、開始早々のケガで柿谷が途中交代となったが、交代出場したリカルド サントスが先制点を獲得。ただ、アディショナルタイムの90+2分に、昨年までセレッソに在籍していた永井龍にゴールを決められてしまう。それでも、終了間際の90+4分、この一戦がトップチームデビュー戦となった木本恭生が決勝ゴールを押し込み、ギリギリのところで勝利を収めた。新たな力、途中出場の選手が活躍して、苦況を跳ね返したことで、チームにさらなる勢いが生まれ、それが、そこからの5連勝につながったと言えよう。今回のホームゲームを迎えるにあたって、当時と状況も似通っているだけに、前回の対戦や直近の京都戦の教訓をしっかりいかして、長崎に勝利をおさめたい。

 それでも、長崎は得点ランキング3位、14ゴールを決めて、対戦相手として初凱旋することになった永井のプレーに代表されるように、粘り強く最後まで戦える、侮れない相手。今季だけでなく、昨シーズンのJ2第14節でもホームでアディショナルタイムに失点。そのときは痛恨の敗戦を喫した。その失点シーンを含め、長崎にはサイド攻撃やカウンターから崩されることも多いだけに、同じ過ちは禁物。90分以上、フルタイムにわたって気の抜けない戦いとなるのが予想されるも、「長崎という、粘り強い色を持っているチームを越えることが非常に大切になる」(大熊監督)。

 セレッソでは、2018ロシアW杯アジア最終予選のためにチームを一時離脱していた山口蛍とキム ジンヒョンが、この一戦から復帰。桜の要を担う、頼もしき2人の代表選手が揃ったなか、チームはいざ、公式戦4連勝を期す。そして、舞台はホーム。5勝3分6敗と負け越している今、まずはホーム戦績を五分の星に戻し、かつ、キンチョウスタジアム公式戦3連勝を達成することこそ、この試合で果たさなければいけないこと。「強い意志をプレーで、結果で見せる。ホームでしっかり勝つ」と田中裕介も言うように、桜色の戦士たちは一丸となって、必勝へと突き進む。

文・前田敏勝