9月18日(日)2016明治安田生命J2リーグ第32節
ギラヴァンツ北九州 - セレッソ大阪 (14:00KICK OFF/本城)
試合写真・コメントなど チケット
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 3週間ぶりの再開となった前節のJ2リーグ戦。ホームにV・ファーレン長崎を迎えたセレッソ大阪は、天皇杯2回戦で負傷した杉本健勇を欠くも、玉田圭司と澤上竜二にゴールが生まれ、2-0で勝利した。この結果、セレッソは天皇杯1回戦、2回戦に続くホーム3連勝、公式戦4連勝を達成。上向きの状態で、今節、ギラヴァンツ北九州とのアウェイ戦に臨む。

 選手一人ひとりのモチベーションも高く、練習の雰囲気も良い現在だが、油断は大敵。思い起こせば、ホームで北九州と対戦した第8節も、セレッソはジェフユナイテッド千葉、清水エスパルスに連勝した最高の状態で迎えるも、前半の内容が低調で、原一樹に直接FKを決められて先制を許す苦しい展開に。試合終了間際のソウザのゴールで何とか敗戦こそ免れたが、同点に追いつくのが精一杯という厳しい試合となった。今節も、「相手は僕らに勝って流れに乗りたい気持ちもあると思う。そういった相手に対して、最初のプレーから厳しく行くことが大事」と田中裕介が話すように、まずは気迫で北九州を上回りたい。

 第28節のレノファ山口FC戦でシステムを3-4-2-1に変えて以降、公式戦6試合で3失点と守備の安定感は取り戻しつつあるが、「最初の時間帯から集中して戦うことが今の課題」と藤本康太が話すように、天皇杯2回戦では14分に失点し、前節も試合開始から15分ほどは相手の勢いに押される場面が目立った。3バックとボランチ、3バックとウィングバック、それぞれ間に生まれるスペースを使われるシーンも目に付く。北九州には、本山雅志や、元セレッソの井上翔太など、2列目にテクニックのあるドリブラーが多い。ポゼッションにも長けたチームだけに、「自信を持ってボールを回させたら、やるだろうから、相手の好きにやらせないことが大事」(酒本憲幸)。相手が勢いに乗る前にしっかりと守備で潰したい。前回対戦時に苦渋を飲まされた原や、元セレッソの長身ドリブラー小松塁も含め、警戒が必要だ。

 攻撃陣では、前節、復帰した清原翔平が今週の紅白戦でキレのある動きを見せれば、酒本も1得点と、2列目の競争が激しさを増している。前節は欠場した杉本も、16日に全体練習に合流し、練習後は「痛みはない」と復調をアピール。今節での復帰については大熊清監督も慎重な姿勢は崩さないものの、現在のチーム得点王が早期回復に至ったことは朗報だ。前節、ゴールを奪った玉田や澤上、途中出場で気を吐いたリカルド サントスも含め、今節もチームの総力を結集させて得点を重ねたい。

 照り付ける日差しこそ強いものの、時折、吹く風が心地よく、秋の気配も感じさせた今週の舞洲練習場。暑い夏は終わろうとしているが、セレッソの熱い戦いは終わらない。ここからが、目標達成へ向けて最も大切な時。「残り試合も少なくなって、最近はずっと言っていることだけど、一戦一戦、決勝戦のつもりで戦う」との酒本の言葉はチームの総意だ。今節の後、セレッソは中3日で天皇杯3回戦・サガン鳥栖戦、中2日で次節の徳島ヴォルティス戦とアウェイでの試合が続くが、「目の前の試合で勝点3を取ることが何より大事」(玉田)。一戦必勝の精神は変わらない。積み上げてきた常勝のマインドをさらに大きくするべく、今節、北九州との一戦に全力を注ぐ。

文・小田尚史