10月2日(日)2016明治安田生命J2リーグ第34節
セレッソ大阪 - 清水エスパルス (14:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 明治安田生命J2リーグ33試合を終えて3位・勝点63のセレッソ大阪。首位の北海道コンサドーレ札幌(勝点73)とは10差だが、「俺らはまだ優勝をあきらめていない。J2優勝、J1にこのチームを上げる。その目標を達成するために、上だけを見て戦っていきたい」と気合いを込めるのは、杉本健勇。その強い想いをチーム全体で表すかのように、ここに来てセレッソはリーグ戦4連勝。苦しい内容も見られたとはいえ、我慢強く戦い、勝点3を積み重ねてきた。
 そして、残り9試合。いよいよクライマックスに入っていくなか、10月最初のリーグ戦では、J1昇格争いのライバルの1つ、清水エスパルスと対戦する。

 10月の清水戦といえば、思い起こされるのは2年前の2014年。ともにJ1残留争いを繰り広げていたなか、敵地・IAIスタジアム日本平にて直接顔を合わせたJ1第27節(10月5日)。当時は、セレッソが勝点26で14位、清水が勝点25で17位という混戦模様の最中。試合では開始早々に先手を取られ、結局0-3と敗北。順位を逆転され、その後セレッソは17位から浮上することができなかった。一方の清水はこの勝利で勢い付き、最終的に15位でJ1残留を果たすことになった。セレッソにとっても、清水にとっても、ターニングポイントになった試合と言えるだろう。

 今回、J2を舞台に戦う両者だが、セレッソと清水(勝点57)の勝点差は6。セレッソとしては、ライバル清水を突き放し、勝点1差と迫っている2位・松本山雅FC(勝点64)に追い付き、追い越すためには、とにかく勝利が必要。「この試合は是が非でも負けられない。まずは気持ちが大事。ヤンマースタジアム長居での試合であり、ホームなので、勝つということが重要。勝てばその後もいい雰囲気でやっていけるし、勢いも付いてくる。しっかり、まずは結果にこだわってやりたい」と言うのは藤本康太。当時の借りを返すべく、欲しいのは勝点3だ。

 また、昨シーズンのちょうどこの時期も、ヤンマースタジアム長居でセレッソは悔しさにまみれた。2015年のJ2第35節(10月4日)。当時、セレッソは勝点59で3位、2位・ジュビロ磐田(勝点64)に5差として、4位・アビスパ福岡(勝点58)と対決。緊迫した展開のなか、後半、一瞬の隙を突かれ先手を奪われると、福岡の堅守を切り崩せず0-1と惜敗。この一戦から福岡がさらに勢いづき、反対にセレッソは下降線をたどってJ1昇格プレーオフ決勝 の再戦でも勝つことができず。1年でのJ1復帰を断たれたのは記憶に新しい。
 10月初めのリーグ戦は、今後の命運がかかった非常に重要な試合。だからこそ、過去2年の失敗は絶対に繰り返してはいけない。『あの日』の悔しさを、今、晴らすときだ。

 清水には今季最初の対戦となった第7節 で、アウェイにてリカルド サントスと山村和也のゴールにより、2-0と勝利。ただし、シュート数では相手に上回られたり、前半は押し込まれるなど、内容は接戦。鄭大世、大前元紀、村田和哉らが揃うリーグナンバー1の攻撃力を武器に襲いかかってくる、小林伸二監督率いる清水は手強い存在であり、今回も難しい試合になることは想像できる。それでもセレッソは今、3試合連続完封勝利中と粘り強い守備が帰ってきた。そして、攻撃陣には11得点の杉本をはじめ、玉田圭司、清原翔平ら、頼もしいゴールゲッターが揃っている。チームの総力でも絶対に負けられないセレッソ。聖地・長居で今、クラブにかかわるすべての人が一丸となって、勝利を狙う。この試合は、桜の意地にかけても落とせない。

文・前田敏勝