10月8日(土)2016明治安田生命J2リーグ第35節
セレッソ大阪 - FC岐阜 (14:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 8月末から明治安田生命J2リーグ戦にて4連勝を飾り、上昇気流に乗りかけたときに迎えた前回の第34節。J1昇格争いのライバルである清水エスパルスとの直接対決は、1-2と逆転負け 。首位の北海道コンサドーレ札幌(勝点74)との勝点差を11、2位の松本山雅FC(勝点67)との勝点差を4に広げられてしまった3位・セレッソ大阪(勝点63)。下を見れば、4位・ファジアーノ岡山(勝点61)、5位・清水(勝点60)にも差を詰められており、残り8試合、J2優勝、J1自動昇格のためには、わずかな停滞も許されない。一戦必勝、まさにトーナメントのような状況の最中で、10月はホームゲームが続く。8日の第35節では、20位とJ2残留争いの渦中にいるFC岐阜と、キンチョウスタジアムで顔を合わせる。

 前節の敗戦後、「昨シーズンはこういうところ(上位対決での敗北)からズルズルと行ってしまった。ここをズルズル行かないようにすることと、いかに気持ちを引き締め直すか」と述べていたのは酒本憲幸。昨シーズン終盤の失速や、この夏場にホームゲームで星を取りこぼした失態を繰り返さないためにも、セレッソが求めるものは勝点3=勝利のみ。この試合は、J1復帰に向けて、今季のなかでも極めて重要な一戦となる。

 岐阜とは、今季6月12日・第18節にアウェイで対戦 。そのときは、第17節のV・ファーレン長崎戦 で負傷した柿谷曜一朗を欠くなか、前半の5分という早い段階でブルーノ メネゲウのゴールにより先制し、そのまま1-0で勝利している。ただし、その1点を取ったあとは主導権を相手に奪われ、ピンチを招くこともしばしば。GKキム ジンヒョンの好守をはじめ、身体を張った粘り強い守備もあり岐阜を零封できたものの、先手を取ったあとの戦いというところでは課題も残した。
 それはまた、前節の清水戦にも共通するセレッソの反省点。「ゴールが決まったあと、チームが全体的に下がってしまった。それで相手が勢いづいて、ビルドアップからどんどん(攻めに)来るような感じになってしまった。ホームゲームなのですが、そういったことをやらせてはいけない部分で(相手に)やらせてしまった」と、清水戦後にソウザも悔やんでいたが、ホームゲームだからこそ、なお一層、攻守にアグレッシブな姿勢を見せなければいけないもの。もう、前節のような試合終盤での失点、逆転負けを食らうようなことは絶対に許されない。

 相手の岐阜は、前節・岡山に0-5と大敗を喫しているが、そういった試合のあとはチームを引き締めて臨んでくるものであり、油断は禁物。さらに、相手にはレオミネイロ、エヴァンドロ、レオナルド ロシャら外国籍選手をはじめ、個の能力が高い、一発のある選手も揃っている。だからこそ、セレッソが今季磨いてきた攻守の切り替えの速さを前面に出して、いいディフェンスからいい攻撃へとつなげていき、前節の屈辱を払拭する白星を勝ち取りたいものだ。

 そのためにも、キンチョウスタジアムに集う桜色のサポーターも含めて、セレッソは一丸となって勝利を目指す。今回の岐阜戦では、日本代表MF山口蛍、韓国代表GKキム ジンヒョンが、2018FIFAワールドカップロシア アジア最終予選のために不在。大事な時期に主軸を欠くことになるが、それでも、チームには彼らの穴を補えるだけの頼もしき戦力が揃っているのも事実。ここでチームの一体感と総合力の高さを発揮したい。
 6日の日本代表戦では、山口が値千金の決勝点をアディショナルタイムに奪い取り、日本に劇的な勝利をもたらした。その活躍に、桜色の戦士たちが続く番だ。

文・前田敏勝