11月20日(日)2016明治安田生命J2リーグ第42節
セレッソ大阪 - ロアッソ熊本 (14:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 2016明治安田生命J2リーグにて、第41節の段階で4位が確定した、セレッソ大阪。今季の目標に掲げていたJ2優勝、J1自動昇格を達成できなかったのは、不本意なことではあるが、それでも、J1昇格プレーオフでのJ1昇格という道は残されているだけに、昨年の雪辱を期すべく、J1復帰を果たすためにも、セレッソは前を向いて戦い続ける。そのなかで、今回の第42節は、レギュラーシーズンの最終戦。キンチョウスタジアムで迎えるホームゲームで、ロアッソ熊本と対戦する。

 終盤戦になって、4試合勝ちなしというつらい時期も味わったが、最近2試合は連勝中と息を吹き返してきただけに、ここで勝って、リーグ戦3連勝、ホーム2連勝で締めくくりたいところ。それこそが、プレーオフへの弾みになることは間違いない。「今まで応援してきてくれたサポーターの前で、いい雰囲気で、いい勝ち方ができれば、もっといい状態でプレーオフに臨めると思うし、まずはいい形で絶対に勝ちたい」というのは、藤本康太。これは、桜の選手たちに共通する思いだ。

 熊本とは、前半戦の最後となる第21節にて、アウェイで対戦。震災発生後、初めてホームスタジアム「うまかな・よかなスタジアム」を使用して行われた一戦に、セレッソは臨み、結果は5-1でセレッソが勝利している。震災の影響で熊本がタフな日程を強いられたなかでの試合であり、かつ、前半で熊本に退場者が出たことで、一方的な展開になった、この試合。それでも、セレッソは熊本に先手を取られ、試合全般を通じても、熊本の選手たちのひたむきなプレーに苦しめられた。当時と比べて、熊本もチームとしての成熟度を増し、第38節では首位の北海道コンサドーレ札幌にホームのうまスタで2-0と勝利するなど、実力を発揮。侮れない相手であることは言うまでもない。「見ていてもいいサッカーをしていると思うし、油断できない相手。地元のチームでもあるので、しっかり、その相手に負けないように頑張りたい」、郷里のチームを相手にする藤本もそう述べるように、この試合も、セレッソにとっては一瞬の隙も許されない、難しいものになるだろう。

 それでも、セレッソも、今、再び勢いがつきつつある。大黒柱である主将の柿谷曜一朗が、長期の負傷離脱から復帰し、現在2連勝中。前節ではその柿谷が第16節カマタマーレ讃岐戦以来となる先発フル出場で存在感を見せた。また、その東京ヴェルディ戦では、秋山大地、田代有三といった、柿谷と同じくケガで今季苦しんでいた選手たちがピッチに立って躍動。韓国代表戦に臨んでいたキム ジンヒョンに代わってゴールマウスを守ったGK丹野研太の再三にわたる好守もチームを盛り立てた。ここに来て、チームの総力を発揮し、上昇傾向にある桜色の戦士たち。この流れを止めるわけにはいかない。

 また、今季はホームゲームにて8勝5分7敗という成績で、12試合勝ちきれなかった分が、苦しい結果を招いた象徴となっていた。それだけに、この最終節、ホームで勝つことこそ、いつも大きな声援と拍手で後押ししてくれるサポーター、セレッソに関わるすべての人たちに、少しでも報いるものになる。「勝っても負けても(リーグ戦の)順位は変わらないのですが、お客さんが入ってくれている以上は、サポーターの方たちが応援してくれている以上は、負けていい試合など存在しない。しっかり勝ちで(リーグ最終戦を)締めて、なおかつ自分のできることをやって、最後しっかりゴールを決めて、チームの力になり、勝利に貢献したい」というのは、11月18日に24歳の誕生日を迎えた、杉本健勇。「プレーオフにつながるいいサッカーをするための、俺らにとってはすごい大事な試合」と柿谷も言うように、この1試合は、セレッソの今後のためにも、何が何でも勝たなければいけない重要なゲーム。だからこそ、「いい試合ができるように全力でやることが大切になる」(大熊清監督)

文・前田敏勝