6月21日(水)第97回天皇杯2回戦
セレッソ大阪 - 新潟医療福祉大学 (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 J1リーグ、JリーグYBCルヴァンカップとともに、今季のセレッソ大阪が挑むもう1つの大事な舞台が、伝統あるカップ戦、天皇杯。今季で97回目を迎える大会に、セレッソは2回戦から登場する。この6月21日に行われる一戦では、新潟県代表の新潟医療福祉大学と、キンチョウスタジアムにて対戦する。

 今季の天皇杯は、例年よりも早く、4月22日から開幕。J1の18チーム、J2の22チーム、第18回JFL(日本フットボールリーグ)優勝のHonda FCと、都道府県代表の47チームの、計88チームが本大会に出場し、J1とJ2のチームはこの2回戦が初戦となる。3回戦は7月12日、ラウンド16は9月20日、準々決勝は10月25日、準決勝は12月23日に予定され、決勝は2018年1月1日、埼玉スタジアム2002が舞台に。この天皇杯では、過去3度、ファイナリストになったことのあるセレッソ。初の頂点を目指す戦いに、『ユン・セレッソ』が挑む。

 ただし、2015年シーズンでFC大阪に1回戦で敗れるなど、これまでを振り返ると、初陣で下のカテゴリーのチームに敗れる、いわゆる『ジャイアントキリング』をされた経験も持つセレッソ。それだけに、当然、この新福大戦も油断は禁物だ。「試合に『絶対(勝てる)』というのはないので、しっかり集中して試合に入りたい」というのは、2005年からセレッソの一員となり、クラブをよく知る選手のひとり、GK丹野研太。「昨年も、立ち上がりは相手の勢いがあり、コーナーキックとかちょっとひやっとする部分もあったので」と、昨年度の第96回天皇杯1回戦、アルヴェリオ高松戦でセットプレーからあわや失点というピンチもあったことを踏まえ、気を引き締める。「まずはしっかり後ろが失点しなければ、自然とウチのペースになると思う」と丹野もいうように、今季のベースとなる組織的な守備を、この試合でも継続して行うことが、チームにとっては重要になる。

 相手の新潟医療福祉大学は、創部13年目で、天皇杯本大会2年連続2度目の出場。1回戦で岐阜経済大学に3-1と勝利。セレッソとの対戦は初めてとなる。このチームを率いるのは、かつて桐光学園高校の監督として、中村俊輔(現ジュビロ磐田)や、桜色の戦士の1人として活躍する田中裕介らを指導するなど、数多くのJリーガーを輩出してきた、佐熊裕和氏。この日本サッカー協会公認S級コーチの資格も持つ指揮官や、元日本代表DF茶野隆行氏がコーチに名を連ねるなど、強化を惜しまない新福大は、昨年度の北信越大学サッカーリーグ1部のベストイレブンと得点王に輝いた林純平をはじめ、高校サッカーの名門校で活躍してきた選手たちも多く在籍。今季の北信越大学リーグではここまで首位に立っている。「全員攻撃、全員守備」をモットーに掲げている(※新福大サッカー部公式サイトより)チームは、勢いよくセレッソに向かってくることは想像にたやすいだけに、桜色の戦士たちとしては、隙を見せるわけにはいかない。

 また、試合前日には、尹晶煥監督が、「この前の試合(J1第15節清水エスパルス戦)で入ったメンバーは、ほとんど入っている」と、大幅なターンオーバーを行わないことを明言。これから公式戦週2回ペースのタフな戦いが続いていくのだが、「この前の中断明けの試合では、いい流れを持ってくることができなかった。なので、そのメンバーをそのまま入れた理由は、試合の雰囲気をもう少し作っていきたい、(いい流れに)持っていきたいというものがある」と尹監督。清水戦の反省を踏まえて、チーム状態をさらに向上させるべく、セレッソはチーム一丸となって、この試合を大事に、アグレッシブに戦う。J1リーグ戦、ルヴァンカップと同じく、『ユン・セレッソ』の積み上げた実力を、初顔あわせの相手にも、しっかりと見せつけたい。

文・前田敏勝