10月15日(日)2017明治安田生命J1リーグ第29節
サガン鳥栖 - セレッソ大阪 (17:00KICK OFF/ベアスタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 セレッソ大阪にとって、クラブ史上初となるリーグカップ戦決勝進出を決めたJリーグYBCルヴァンカップ準決勝第2戦から2日間のオフが明けた11日。練習場に姿を現した選手たちの顔つきは一様に明るく、ボールを使ったメニューとなった午後練習では、楽しむ中にも厳しさが随所に感じられるミニゲームが行われるなど、チームの雰囲気は上々だ。

 この日の練習を終えた水沼宏太は、「今日、見てもらってもわかるように、練習の雰囲気も変わった。(ルヴァンカップ準決勝は)ただ勝ったことだけではなく、チームにとってものすごく大きな意味を持つ試合だった」と充実の表情を浮かべた。「大きな意味を持つ試合だった」という水沼の言葉には、代表組や負傷者を除くトップチームのほぼ全員が出場して決勝の切符を掴み取ったことも含まれている。「ほぼ全員が出て、責任感と自覚を持ってやるべきことを全うできた」(水沼)ことで、チーム内の競争は激化した。

 ルヴァンカップ決勝進出の立役者でもある丹野研太が、「(キム)ジンヒョンと争っているという感覚ではなく、これからもしっかり自分のパフォーマンスを出せるようにという思い。今までもそういうスタンスでやってきたし、(先発を)決めるのは監督。決断させるくらいのパフォーマンスを出していきたい」と今後も不変の気持ちでリーグ戦と向き合うことを誓えば、福満隆貴は「今は良い競争ができているけど、そこで勝っていかないと最初の11人に選ばれない。自分の持ち味をどんどん出していきたいし、チャンスをもらったら、どんな時間帯でも、限られた時間で自分の持っているものをすべて出す気持ちが常にある」とリーグ戦に懸ける意気込みを述べた。

 そんなチーム一丸でルヴァンカップ決勝進出を果たした一方で、リーグ戦では3連敗中と上位から離されかけているセレッソ。なんとしても連敗阻止を果たしたい今節だが、舞台はセレッソにとって鬼門の1つでもある、アウェイでのサガン鳥栖戦。鳥栖は今季、ホームで無類の強さを発揮し(10勝1分3敗)、前節も首位の鹿島アントラーズを1-0で撃破していているだけに、今節もセレッソにとって大きな壁になるだろう。それでも、「ルヴァンカップ決勝進出が決まって、とても自信になった。ここで無失点に抑えることができればさらに自信は深まる。鳥栖も強いので簡単に勝てるとは思わないが、ここで勝って連敗を止めたい」とマテイ ヨニッチも話すように、勢いに乗る今のチーム状態をそのままぶつけ、セレッソはベストアメニティスタジアムでの初勝利と、リーグ戦4試合ぶりの勝利を目指す。

 直近のリーグ戦3連敗中に喫した失点は10と、勝利を掴むには守備の改善が急務だが、これはチーム全体の問題でもある。ルヴァンカップ準決勝第2戦を見てもわかるように、前線からの守備、最終ラインのプッシュアップ、中盤でセカンドボールを拾うこと、これらはセットにもなっているだけに、チーム全体での守備意識をもう1度徹底することが必要だ。

ここから、リーグ戦でも巻き返しを図り、実りの秋に向けて力強く歩みを進めていきたい。

文・小田尚史